株式会社ジェイックは2024年1月17日、「キャリア自律についてのアンケート調査」の結果を発表した。調査期間は2023年9月19日~11月29日で、同社の就職支援サービスを利用して就職・入社した20代の正社員128名から回答を得ている。調査結果から、20代の若手社員のキャリア形成に関する意識や「キャリア自律」の認知度が明らかとなった。
20代社員の約8割が“業務時間外”にキャリアや将来について考えている。「キャリア自律支援」が若手定着率向上のカギか

「キャリアや将来を考える時間が必要」とする回答は8割を超える

終身雇用制度の崩壊や働き方の多様化などを背景に、個人が主体的に自身の将来やキャリアを考え行動することを指す「キャリア自律」の重要性が高まっている。そのような中、入社1年目の若手社員は自身の将来やキャリアにどのような意識を抱いているのだろうか。

はじめにジェイックは、「自身の今後のキャリアや将来について、考える時間は必要だと思うか」と尋ねた。すると、「そう思う」(86%)が最も多く、以下、「わからない」(11.7%)、「そう思わない」(2.3%)と続いた。
自身の今後のキャリアや将来について、考える時間は必要だと思うか

1年目社員がキャリアを考える理由

そこで、前設問で「そう思う」と回答した人に「その理由」を複数回答で質問したところ、「現在の仕事の目的や目標を考えるため」(41.8%)が最多だった。以下、「自分の価値観にあったキャリアを築くため」(28.2%)、「自分のキャリアをどう築くかの責任は、会社でなく自分にあるため」(25.5%)と続いた。自分にとっての仕事の意味やゴールを定期的に整理するために、キャリアについて考える時間が必要となるようだ。
キャリアを考える時間が必要だとした理由

約8割は“業務時間外”に今後のキャリアについて考えている

続いて、「業務時間外で、自身の今後のキャリアや将来について考えることはあるか」と尋ねた。すると、「ある」(79.7%)が最多で、以下、「ない」(14.8%)、「答えたくない」(5.5%)と続いた。全体の約8割が、業務時間外に自身の今後のキャリアや将来について考えることがあるとわかった。
業務時間外で、自身の今後のキャリアや将来について考えることはあるか

今後のキャリアや将来について考える頻度は「週1回程度」が半数以上に

そこで、前設問で「ある」とした人に「その頻度」を質問したところ、「週に1回程度」(52.9%)が最も多く、半数におよんだ。続いて、「月に1回程度」(41.2%)、「3か月に1回程度」(5.9%)となった。
今後のキャリアや将来について考える頻度

「キャリア自律」についての認知度は?

最後に同社は、「キャリア自律とは何かを知っているか」を質問した。その結果、「キャリア自律という言葉を知らない(初めて聞いた)」(81.2%)が最多で、以下、「キャリア自律という言葉は知っているが、意味は理解していない」(10.2%)、「キャリア自律という言葉も、意味も理解している」(7.8%)と続いた。
キャリア自律とは何か知っているか
本調査結果から、今後のキャリアや将来について、新入社員の半数以上が定期的に考えており、意識を向けていることが伺えた。その一方で、「キャリア自律という言葉を知らない」とする人も8割にのぼっていた。また、キャリアを考える理由として約4割が「現在の仕事の目的や目標のため」と回答した。このことから、社員のキャリア形成を支援することは、社員の定着率やエンゲージメントの向上につながっていくと読み解くこともできる。「1on1」や「社内研修」などを通じて、社員自身のキャリア自律を企業が支援することは、今後ますます重要になっていくだろう。

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