人事自身が自らの価値を高める

21世紀ネットワーク社会の到来と新しい人材の在り方
会社は一つの生命体であり、人事もその中の一つの生命体です。会社と人事は表裏一体の運命共同体です。だから会社の方向を理解している必要があります。さきほど話したように、変革の時代に会社は延命戦略と成長戦略の両方を展開しています。既存の延命戦略の情報は得やすく、その会議に人事も出席しているかもしれません。
しかしもうひとつの成長戦略の方はあまりオープンにされない会議で検討されることが多いので、経営層に出席したい旨を伝え、成長戦略が指向する方向を見定める必要があります。
「自分人事部」を持つことも進めたいと思います。皆さんは「会社人事部」で会社に入ってくる人、出ていく人の面倒を見ています。社員の人材価値についてはよく知っているはずです。しかしみなさん自身の価値は?
自分の持つ社会的価値を作っていき、その価値を自覚していくのが「自分人事部」です。人事の枠にとらわれる必要はありません。昨今は人材のグローバル化の必要性が叫ばれ、そのためには海外に人を送り込んで体験させることが重要ですが、人事自身が外に出て、成長すればいいと思います。
安部総理は野党を経験してから2期目の政権を担い、大いに活躍しています。人事の方にもそういう活躍を期待します。

講演者 紹介

出井 伸之氏
クオンタムリープ株式会社 代表取締役 ファウンダー&CEO。
2005年6月にソニー会長兼グループCEOを退任後、2006年9月にクオンタムリープ株式会社を設立。産業の活性化や新産業・新ビジネス創出を実現するための活動をグローバルに展開。他にアクセンチュア、百度公司(Baidu)、レノボ・グループ(Lenovo)、フリービットの社外取締役、などを務める。

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