人事担当者の頭を悩ませるバズワード「人的資本経営」。
2022年に「人材版伊藤レポート2.0 (経済産業省)」と「人的資本可視化指針 (内閣官房)」が公表されて以降、人事の現場で広く注目を集める言葉となった。そして、「人的資本情報開示義務化」から2年目を迎えた2024年現在、様々な事例に触れ、人的資本経営をより本質的に理解したいと考える企業人事は多いことだろう。本書では、アビームコンサルティングの著者らが「重要課題(マテリアリティ)の特定」にフォーカスし、どのように人的資本を「選択と集中」していくのかを解説している。4社の先進事例(レゾナック、ホンダ、オリンパス、愛三工業)を交えながら、実践のための具体的な論点整理ができる一冊となっている。

書籍名:人材マテリアリティ 選択と集中による人的資本経営
出版社:株式会社日経BP
書籍発売日:2024年2月26日
『人材マテリアリティ 選択と集中による人的資本経営』久保田 勇輝、淺見 伸之、佐藤 一樹、細田 俊之(著)(日経BP)

▼内容紹介

日本企業の生き残りに必要なのは「誰に投資をするか」だ


人的資本経営という言葉が近年注目を集めている

しかしながら、
●有価証券報告書など法的義務に対応した情報開示以外に今まで以上に何をやればよいのか
●経営、事業との連携という主旨はわかるが、具体的に何をやればよいのか
●今まで以上にやることを増やしてもリソース不足のため実際には何もできない

といった声も多く、せっかくの変革のタイミングを逸してしまいかねない。

本書では、事業ポートフォリオ変革の原動力となる人的資本の最大化を図る経営の考え方、
選択と集中の重要性、実行施策、モニタリングについて、事例をもって解説する。
(版元ホームページより/HRプロ編)

▼目次

【第1章 人的資本経営はできたらやろうでは、10年後に未来はない】
人事担当者の頭を悩ませるバズワード「人的資本経営」
"不平等"こそが人的資本経営
人的資本経営はそもそも人事部だけでやるものではない

【第2章 納得できる重要課題をつくり上げる】
フレームワークを活用 部門を超えて語り合える場をつくる
パーパス、バリューは誰のもの? 違う言葉で語っていませんか?
サステナ目標こそ会社の「らしさ」を。事業継続を支える根幹を突き止める
事業戦略を本気で議論 人材の解像度をあげ、未来の人材ポートフォリオを決定する
変わらない競争力の源泉、事業、人材像 切り口を研ぎ澄まして課題をそぎ落とす

対談:レゾナック・ホールディングス

【第3章 努力目標で終わらせない経営のコミットメント】
数値目標の魔法 成功達成に必要な要素
人材マテリアリティから設定する数値目標
人材充足に必要な動的人材ポートフォリオの作成方法
人材マテリアリティ達成のための人材戦略・人事施策
「できたらよい」から「せねばならぬ」へ向かうPDCA
KGI・KPI管理の重要性

対談:オリンパス

【第4章 「仕組み」と「気持ち」を変える施策】
画一化された人的施策の終焉
「他社もやっている」施策が生み出す悲劇からの脱却
社員の「気持ち」を動かす一貫したメッセージ
会社の「仕組み」と社員の「気持ち」を変える策
「働く場」としての差別化された魅力の訴求――エンプロイヤーブランディング

対談:愛三工業

【第5章 最高の対話のために開示する】
やらされ開示はもうやるな
何を訴えかけたいかとステークホルダーが知りたいことを足し算
開示と対話を通じて次の課題が見えてくる

事例:本田技研工業 人的資本経営への取り組み

【第6章 本質的人的資本経営の推進のために乗り越えるべき壁】
右に倣えの投資ではもう超えられない壁
人的資本経営におけるROIとは

▼著者プロフィール

【アビームコンサルティング株式会社】
アジアを中心とした海外ネットワークを通じ、それぞれの国や地域に即したグローバル・サービスを展開する総合マネジメントコンサルティングファーム。戦略、BPR、IT、組織・人事、アウトソーシングなどの専門知識と、豊富な経験を持つ約 7,800 名のプロフェッショナルを有し、金融、製造、流通、エネルギー、情報通信、パブリックなどの分野を担う企業、組織に対し幅広いコンサルティングサービスを提供している。
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