株式会社トライベック・ブランド戦略研究所は、2018年6月、全国20~69歳の一般消費者を対象にアンケート調査を行い、それをもとに各社の「デジタルメディアの企業ブランド価値への貢献度(企業が運営するデジタルメディアがどれくらい自社のブランド価値に貢献しているのか)」を金額換算によって評価。このたび、その結果を公表した。(有効回答数:21,440人)
採用広報にも結び付く、「デジタルメディアのブランド価値」 TOPはサントリー

なお、調査対象企業・ブランドは、一般消費者向け(BtoC)の事業を行う企業を12の業界に分け、それぞれの業界における有力企業・ブランド計242社を選定している。
上位5社は下記の通り。

1位:サントリー (21,085百万円)
2位:マクドナルド(17,210百万円)
3位:パナソニック(15,890百万円)
4位:アサヒビール(15,583百万円)
5位:ユニクロ(15,509百万円)

この「デジタルメディアのブランド価値貢献度」は以下の3要素を合算したものである
・認知貢献効果
・好感効果
・ロイヤルティ効果

トライベック・ブランド戦略研究所は、この結果を受け次のように分析している。

【認知貢献効果について】

「認知貢献効果」の上位企業のデジタルメディアでの取り組みでは、自社のウェブサイトの他、SNSやスマートフォンアプリ等を効果的に活用していた。リアルとデジタルの両面におけるコンタクトポイントを最適な形でコミュニケーション設計に落とし込むことで、生活者と企業とのコミュニケーション機会を増大させる取り組みを行っている傾向が見られた。

【好感効果について】

「好感効果」を高めるにはキャンペーンが効果的な施策であることが分かったが、上位企業ではポイントやプレゼントなどの直接的なメリット提供だけにとどまらず、より企業理解を深めブランドに好感を持ってもらうために、キャンペーンをきっかけにFacebookやTwitter、InstagramなどのSNS公式アカウントへの登録を促したり、デジタルメディア上のさまざまなブランドコンテンツへの誘導を図るなどの工夫を行っていた。

【ロイヤルティ効果について】

「ロイヤルティ効果」の向上のためには、購入後にもデジタルメディアを通じて顧客に良質な経験を提供することが重要となる。上位企業では購入した商品やサービスのリアルでの楽しみ方を積極的にデジタルメディア上で紹介し、商品・サービスの体験価値を高めることに注力している傾向が見られた。商品やサービスを家族や友人と楽しみ、共有してもらう仕掛けを行い、さらにその体験をデジタル上でもユーザー間で共有できる仕組みを用意することで、日常の体験を通じてブランドロイヤルティを高め、定着させる工夫を行っている。

デジタルメディアのブランド価値への貢献を高めるためには企業と生活者との間のコミュニケーション増大に注力することにとどまらず、生活者同士のリアル・デジタル両面でのコミュニケーションを生み出していくような、生活者の暮らしに寄り添った施策も重要となっていくと言えるだろう。

――採用の観点からも、ブランド価値の向上は、ブランドに対する帰属心や貢献意識が高い人材を採用できるメリットをもたらす。「販売力」のみならず「採用力」を高める意味でも、今後さらに重要視されていくと見られる。

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