昨今、働き方改革の気運がある中、労働基準法の大幅な改正が検討されている。厚生労働省では「長時間労働を抑制するとともに、労働者が、その健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備するため、労働時間制度の見直しを行う等所要の改正を行う」と、特に労働時間がクローズアップされている。
下記、主な改正予定内容を紹介したい。
下記、主な改正予定内容を紹介したい。
(1)月60時間超時間外労働に対する、割増賃金率(50%)の適用猶予廃止
平成22年から、「月間60時間強に対する割増率を25%→50%」と施行されたが、中小企業(※)についてはその適用が猶予されていた。
この適用猶予について、平成31年3月31日をもって廃止が検討されている。
※対象中小企業(どちらか一方に該当すれば中小企業)
資本金:
小売業・サービス業 5,000万円以下 卸売業 1億円以下 それ以外3億円以下
労働者:
小売業 50人以下 サービス業・卸売業 100人以下 それ以外 300人以下
(2)年次有給休暇の強制取得
10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、5日について、毎年、時季を指定して与える。ただし、これまでどおり労働者の希望で取得する年次有給休暇や、計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はないようだ。
(3)フレックスタイム制の見直し
フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1ヶ月→3ヶ月に延長する。現状は、1ヶ月ごとに労働時間を清算し、法定労働時間を超過している残業代を支払う義務があるが、改正により広範囲の清算ができるようになる。
フレックスタイム制に関しては使い勝手が悪く、あまり浸透していない。例えば、大企業でも導入したものの結局廃止する例もある。
(4)高度プロフェッショナル制度の創設
数年前、いわゆる「ホワイトカラーエグゼンプション」と呼ばれていたものである。一定の要件(※)を満たすホワイトカラーについて、労働時間=成果でないためより柔軟な働き方を認める必要がある等の理由で、労働時間並びに割増賃金などの適用を除外する。
※一定の要件
・職務の範囲が明確で一定額以上の年収(少なくとも1,000万円以上)
・高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事している(研究開発や金融、コンサルタント等)
・健康確保措置等を講じている(労働時間に上限、また年間休日数104日以上の確保)
・適用について本人の同意や委員会の決議がある
また、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととされるようだ。
「働き方改革」が盛んに叫ばれている。高齢化・労働力人口の減少等が進むなかで、いかに効率よく成果を上げていくかが重要だろう。
まだまだ、遠巻きに眺めているだけの方が多いかもしれないが、近い将来、働き方が劇的にかつ急激に変わる可能性がある。
まずはそのような意識を持つことが、はじめの一歩としてはなにより大事なのではないか。
社会保険労務士たきもと事務所
代表 瀧本 旭
平成22年から、「月間60時間強に対する割増率を25%→50%」と施行されたが、中小企業(※)についてはその適用が猶予されていた。
この適用猶予について、平成31年3月31日をもって廃止が検討されている。
※対象中小企業(どちらか一方に該当すれば中小企業)
資本金:
小売業・サービス業 5,000万円以下 卸売業 1億円以下 それ以外3億円以下
労働者:
小売業 50人以下 サービス業・卸売業 100人以下 それ以外 300人以下
(2)年次有給休暇の強制取得
10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、5日について、毎年、時季を指定して与える。ただし、これまでどおり労働者の希望で取得する年次有給休暇や、計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はないようだ。
(3)フレックスタイム制の見直し
フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1ヶ月→3ヶ月に延長する。現状は、1ヶ月ごとに労働時間を清算し、法定労働時間を超過している残業代を支払う義務があるが、改正により広範囲の清算ができるようになる。
フレックスタイム制に関しては使い勝手が悪く、あまり浸透していない。例えば、大企業でも導入したものの結局廃止する例もある。
(4)高度プロフェッショナル制度の創設
数年前、いわゆる「ホワイトカラーエグゼンプション」と呼ばれていたものである。一定の要件(※)を満たすホワイトカラーについて、労働時間=成果でないためより柔軟な働き方を認める必要がある等の理由で、労働時間並びに割増賃金などの適用を除外する。
※一定の要件
・職務の範囲が明確で一定額以上の年収(少なくとも1,000万円以上)
・高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事している(研究開発や金融、コンサルタント等)
・健康確保措置等を講じている(労働時間に上限、また年間休日数104日以上の確保)
・適用について本人の同意や委員会の決議がある
また、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととされるようだ。
「働き方改革」が盛んに叫ばれている。高齢化・労働力人口の減少等が進むなかで、いかに効率よく成果を上げていくかが重要だろう。
まだまだ、遠巻きに眺めているだけの方が多いかもしれないが、近い将来、働き方が劇的にかつ急激に変わる可能性がある。
まずはそのような意識を持つことが、はじめの一歩としてはなにより大事なのではないか。
社会保険労務士たきもと事務所
代表 瀧本 旭