「募集をかけても人が集まらないんだよ・・・」
最近、顧問先からよく聞く言葉だ。
以前であれば、余剰人員、もしくは能力不足の従業員をどうするかということが話題に上がることが多かったが、現在では、その真逆となっている。つまり、仕事はあるのに、人がいない。
また、能力不足や経験不足の従業員にも不本意ながら対応してもらっている状態である。
質・量ともに不足しているせいで、せっかくのチャンスを逃してしまっている企業が多いのではないだろうか。
最近、顧問先からよく聞く言葉だ。
以前であれば、余剰人員、もしくは能力不足の従業員をどうするかということが話題に上がることが多かったが、現在では、その真逆となっている。つまり、仕事はあるのに、人がいない。
また、能力不足や経験不足の従業員にも不本意ながら対応してもらっている状態である。
質・量ともに不足しているせいで、せっかくのチャンスを逃してしまっている企業が多いのではないだろうか。
応募がないのか、人材がいないのか
人が集まらないとはどういうことだろうか。それは2つのことが考えられる。
(1)求人への応募がない
(2)求人への応募はあるが求める人材が来ない
筆者は「(2)求人への応募はあるが求める人材が来ない」場合のほうが多いように感じている。
特に中小企業においては、顕著であろう。
では、そのような中で、どのように人材を求めて行くべきだろうか。
以下で、2点提案してみたい。
1)人材育成
求める人材の応募がないのであれば、未経験者等を雇用し、求める人材に育てていくことを考えてみてはどうだろうか。
人材育成にあまりお金をかけることができない、と考える企業も多いだろう。しかし、採用のために、数十万円単位の費用をかけ、一人の採用もできないこともあると考えれば、その部分の経費を育成に回してみるべきだと思う。
費用を抑えて、研修を行うことも可能である。
例えば、OFF-JTの講師に外部講師を呼ぶのではなく、社内の人間を講師とするのも一つの方法だ。かかる経費を抑えられるうえに、よく社内の実情を知っている分、実践的な研修を行うことが可能であろう。
また、「キャリアアップ助成金」「キャリア形成促進助成金」など教育訓練にかかった経費の一部を助成する助成金も存在する。これらを活用するのも一つの手ではないだろうか。
2)継続雇用
新たなに人材が入らないのであれば、出ていく数を減らさなければならない。そのためにもより長い期間働くことを可能とする必要がある。
現在、定年のある企業で、60歳定年制を実施している企業は約9割に及ぶ。高齢者雇用安定法の改正により、65歳までの継続雇用制度等の導入が義務付けられた(現在は62歳まで)。
しかし、65歳を超えたとしてもまだまだ現役として働ける方は多い。能力があり意欲も高い高齢者の方に継続して働いてもらうことが、人材不足解決に一役買うのではないだろうか。
現状、66歳以上の継続雇用制度の導入を行った場合等に助成される「65歳超雇用推進助成金」がある。この機会に、高齢者の雇用継続制度を検討してみてはいかがだろうか。
人材不足を感じている企業は多い。企業の約8割超が人材不足を感じているとの調査結果もある。大きな背景として、労働人口の減少が考えられるだろう。このことは早々に解決する問題ではない。
人材不足は今後も続く問題である。企業として、どのように人材を確保していくのか検討する時期に来ているのではないだろうか。
社会保険労務士たきもと事務所
代表 瀧本 旭