社員教育がうまくいかない理由とは|採用、育成・研修、労務・人事に関する情報ならHRプロ

人事にプロのサポートを―新卒採用、中途採用、人材育成、研修、人材マネジメント、労務、人事システム、適性検査ならHRプロ

  • 11/21開催:キャンリクフォーラム 大学と企業の合同相談会2017

社員教育がうまくいかない理由とは

HRプロ編集部
2013/12/19

仕事のできない社員ばかりで困る。よく受ける相談である。そもそも仕事のできる社員が増えないことには売上もあがらず会社の発展もない。
 しかし、社員教育がうまくいっている会社は極めて少ない。なぜ社員教育がうまく行かないか、その理由は意外にはっきりとしている。

 私はセミナー講師として経営者、同業者、及び弁護士などの他士業に向けて話をする機会が多い。セミナー講師に求められる能力・スキルがある。それは、もって生まれたものではなく教育で身につけることが可能である。

 まず、次のAとBを見ていただきたい。セミナー講師に必要とされることを記載しているのだが、AとBの違いがおわかりだろうか? もっと言うと、AとBの関係を端的に指摘できるであろうか?

A 「堂々としていること」
「腹から声を出すこと」

B 「受講者の顔を見ながら話すこと」
「80分のセミナーでは120分の内容を作っておくこと」

 この問いに対して端的に答えられない会社は、社員教育がうまくいっていないのではないかと思われる。

 Aの内容で、教育していたらいつまで経っても良いセミナー講師にはならない。Bの内容で教育すると良いセミナー講師になる。

 なぜ、Aの内容で、教育していてもうまくいかないのだろうか?理由は簡単だ。
 「堂々としていろ」と繰り返し言ったところで、堂々としていられるようになるものではないからだ。堂々としていることが必要なことぐらい誰でもわかっている。それができないから困っているのだ。それにもかわらず、「堂々としていろ」と繰り返し言われれば自信喪失につながってしまうだろう。

 具体的に何をやればよいのかわからなければ、実行しようがない。Bには具体的な行動が書かれている。したがって、やろうと思えば今日からでもできる。

 まず。その違いだ。そして、さらに、もう少し両者の関係を考えてほしい。実は、Bの2つはAの「堂々としていること」のために必要な具体的行動が書かれているのだ。

 人間は1対1では緊張せずに話せるものだ。しかし、多くの人間を前にすると途端にあがってしまい話せなくなる。
その理由は、大勢の人に見られていると思うからである。

 したがって、向こうから見られているのではなく、受講生の顔をこちらから見るのだ。しかも、大勢の人ではなく、1人1人の顔を見るのだ。これで、大勢の人から見られているという状況ではなくなり、あがることはなくなる。優秀なセミナー講師は皆やっていることだ。

 「80分のセミナーであれば120分の内容で作る」というのも同じだ。セミナーで1番困るのは、時間が足らなくなることではなく、時間が余ってしまい、話すことがなくなることである。80分のセミナーであれば120分の内容を作成してくれば、時間が余ることはなくなる。したがって、あがってしまうことはなくなるのである。

 Bの内容で教育すれば、堂々としていることができるようになり、結果として優秀なセミナー講師となることができる。

 人間はどうしたら良いのか具体的な行動を教えてくれないとやりようがない。もちろん、自分で考える力も大切だ。しかし、具体的な行動については一切教えなければ、優秀な社員は出てこないのも事実だ。考えさせるのであれば、Bの内容をどうプレゼンテーションに応用するか、また、どう磨いていくかを考えさせてみてはどうであろうか。アイデアが次々と出てくるはずである。


フェスティナレンテ社会保険労務士事務所 小嶋 裕司

プロフィール

HRプロ編集部

「採用」「教育・研修」「労務」「人事戦略」など、人事がイマ知りたい情報をご提供します。 押さえておきたい基本知識から、最先端のニュース関連情報、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届け。

2019卒版 インターンシップ プログラム作成完全マニュアル申込受付中

関連リンク

  • 「働き方改革」・「健康経営」で重要性が増すモチベーション管理・メンタリティマネジメント

    従業員のメンタルヘルスやモチベーションを管理する「メンタリティマネジメント」に注目が集まっている。従来の対症療法的・受動的なメンタルヘルス対策ではなく、積極的に従業員のストレスをコントロールしていく点がポイントだ。 「働き方改革」や「健康経営」が謳われるようになって以降、特にその傾向は強まっており、企業における従業員のメンタルヘルスケア・モチベーション対策は急務である。

  • 労働基準法改正(予定)について

    昨今、働き方改革の気運がある中、労働基準法の大幅な改正が検討されている。厚生労働省では「長時間労働を抑制するとともに、労働者が、その健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備するため、労働時間制度の見直しを行う等所要の改正を行う」と、特に労働時間がクローズアップされている。 下記、主な改正予定内容を紹介したい。

  • 「長時間労働で高収入」より「ワーク・ライフ・バランス」 〜『連合』調べ、理想とする社会イメージに関する意識調査

    就業形態が多様化する現代社会において、人々はどのような働き方を望んでいるのだろうか。日本労働組合総連合会(略称:連合)が、働く人が持つ生活意識や社会の理想像を把握するため「日本の社会と労働組合に関する調査」を実施した。調査はインターネット上で行われ、全国の15〜64歳の勤労者(自営業・フリーランス、役員・経営者を除く)1,036名の有効サンプルを集計した。今回の調査結果から、働く人が抱く生活意識や社会の理想像を垣間見ることができる。

  • 「東急電鉄(連結)ダイバーシティマネジメント宣言」を制定。多様性を生かした付加価値創造を目指す

    東急電鉄は9月12日、従業員の多様性を生かす組織づくりの推進による企業の競争力強化を目指し「東急電鉄(連結)ダイバーシティマネジメント宣言」を制定した。 同社は、この宣言により、ダイバーシティマネジメントの推進を持続的な成長のための経営戦略の一環と位置付け、全従業員に浸透させることで、違いを生かした新しい価値を生み出せる企業体を目指すとしている。

  • 65歳以上シニアの再就職はハードル高く。働く場所はないと感じるシニアも

    エンジニアのためのキャリア応援マガジン「fabcross for エンジニア」は、65歳以上の男女2,000人を対象に「シニアの労働観・労働実態」に関する調査を実施した。同社が以前行った調査では、働く意欲があって働けているシニアは現在の生活の満足度は平均76.0点だったのに対し、働きたいが定期的に働けていないシニアの満足度は平均65.9点であった。これを受けて、今回は働きたいシニアがなぜ定期的な仕事に就けていないのか、その理由についてどう考えているのかについて調査した。(アンケート対象:「とても働きたい」「ある程度は働きたい」と考えているが「不定期に働いている」か「働いていない」と答えた65歳以上の男性131人、女性69人)

  • 従業員モチベーションアップのコツ、ボーナスよりも効果的なのは

    企業の中には、営業の仕事をしている部署にノルマを課しているところも多い。 そしてそのノルマをクリアすると賞与が多く支給され、逆にクリアできないと賞与がなくなる、または降格などのペナルティが課されるといったケースもよく耳にする。 一見シビアで、やればやるほど賞与が上がり業種によっては良い制度のように思われがちだが、このような制度を導入している企業の中には、うまくいっていないところも多い。場合によっては半期の賞与が数百万と支給されるにもかかわらず、人はどんどん辞めていく。 どうしてそのようなことが起きるのだろうか。