レバレジーズ株式会社(以下、レバレジーズ)は2022年3月22日、入社1年目の社員を対象に行った「入社後の状況に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2022年2月1日~4日で、4年制大学卒業かつ2021年4月入社の社員300人から回答を得た。本調査により、2021年卒新入社員の退職に関する意識や、現在の会社への満足度などが明らかになった。
2021年卒新入社員の半数近くが「入社後1年未満で退職を検討した」と回答。退職を考えた時期は「入社4~6ヵ月後」が最多

約1割が「入社後1年未満」で退職

2021年卒社員(2022年5月時点で社会人2年目)の仕事への満足度や勤続意向は、どのような状態となっているのだろうか。

まず、レバレジーズが「新卒で入社した会社で現在も働いているか」を尋ねると、9.3%が「すでに退職している」と回答。2021年4月に入社した新入社員の1割近くが、2022年2月時点で退職していることがわかった。
2021年卒新入社員の半数近くが「入社後1年未満で退職を検討した」と回答。退職を考えた時期は「入社4~6ヵ月後」が最多

約半数が、新卒入社した企業で退職を検討

次に、現在も新卒入社した企業で働く人に「退職を考えたことがあるか」と尋ねると、「退職を考えたことはない」が50.4%、「退職を考えたことはある」が49.6%だった。新卒入社した企業で働き続けている21卒社員のうち、約半数が入社後1年以内に退職を検討したことがあるようだ。
2021年卒新入社員の半数近くが「入社後1年未満で退職を検討した」と回答。退職を考えた時期は「入社4~6ヵ月後」が最多

退職を検討した時期は「入社4~6ヵ月後」が最多

続いて同社が「現在の会社で退職を考えたことがある」と回答した人に対し「退職を検討した時期」について質問したところ、「入社4~6ヵ月後」が35.6%で最多となり、以下「入社7~9ヵ月後」が27.4%、「入社1~3ヵ月後」が22.2%と続いた。一方で「入社1ヵ月未満」は8.9%に、また「入社10~11ヵ月後」(5.2%)と「それより後」(0.7%)は合わせて5.9%にとどまり、入社直後と入社後10ヵ月以上経過した時期は、21卒社員が退職を考えたタイミングとして割合が低かった。
2021年卒新入社員の半数近くが「入社後1年未満で退職を検討した」と回答。退職を考えた時期は「入社4~6ヵ月後」が最多

新卒入社した企業に「満足している」との回答が半数超

また同社は、現在も新卒入社した企業で働く新入社員に「企業への満足度」を尋ねている。すると、「やや満足している」が38.2%で最も多くなった。以下「どちらとも言えない」(24.6%)、「とても満足している」(18.4%)、「やや不満である」(13.6%)、「とても不満である」(5.1%)と続き、「満足している」とした回答は合計56.6%と過半数を占めた。
2021年卒新入社員の半数近くが「入社後1年未満で退職を検討した」と回答。退職を考えた時期は「入社4~6ヵ月後」が最多

会社に満足している点は「仕事内容」が最多

加えて、「現在勤める会社に満足している」と回答した人に対し「満足している点」について複数回答で聞くと、「仕事内容」が46.8%で最も多く、2番目に多かった「社内の人間関係」(36.4%)と10ポイント以上の差があった。

また、同社が「企業に満足していない理由」や「退職を考えた理由」を聞いた質問でも、「仕事内容」が上位にランクインしたという。これらの結果から、仕事内容への満足度は会社への満足度に大きく影響する傾向があり、仕事内容が希望と異なる場合、退職のきっかけとなることも多いと考えられる。
2021年卒新入社員の半数近くが「入社後1年未満で退職を検討した」と回答。退職を考えた時期は「入社4~6ヵ月後」が最多

過半数の新入社員が「いつかは転職したい」と回答

続いて同社は、現在も新卒入社した企業で働く新入社員に「現在の会社で働き続けたいか」を聞いている。すると「いつかは転職したい」が53.3%を占め、「ずっと働き続けたいと考えている」(25.4%)の倍以上となった。

また、同社が「退職を考えたものの、現在の企業で働き続ける理由」を聞いたところ、「仕事を覚えている最中だから」、「就業期間が短いから」、「(就業期間が)1年未満だと転職活動で不利だと思うから」などの理由が上位だったという。転職意向を持ちつつも、「転職に適切なタイミングを迎えていない」との考えから、新卒入社した企業で働き続けている新入社員は少なくないと考えられる。
2021年卒新入社員の半数近くが「入社後1年未満で退職を検討した」と回答。退職を考えた時期は「入社4~6ヵ月後」が最多

4割以上が退職後に「異業種の異職種」への転職を希望

さらに同社は、「退職を検討したことがある人」もしくは「すでに退職している人」に対し、退職後の転職先として検討している、または退職後に入社が決定している「業種・職種」について、複数回答で尋ねている。すると「異業種の異職種に転職した/転職を考えた」が46.6%と最も多くなった。前述の通り、「退職を考えた理由」の上位に「仕事内容」があがっていることからも、仕事内容の変化を望んで、異業種・異職種を視野に入れた転職を検討・実行している人が一定数いることがうかがえる。
2021年卒新入社員の半数近くが「入社後1年未満で退職を検討した」と回答。退職を考えた時期は「入社4~6ヵ月後」が最多
本調査では、21年卒社員の約半数が、入社後1年未満で退職を検討したことがあるという結果が明らかとなった。また、新入社員の「会社への満足度」や退職意向には、「仕事内容が希望に沿っているかどうか」が大きく影響する傾向にあることも示された。早期離職防止のためには、現場配属後、新入社員の適性と仕事内容にミスマッチが起きていないかを注視する必要があるだろう。

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