デロイト トーマツ グループは2021年4月7日、「気候変動に関する企業経営者の意識調査2021」の調査結果(和訳版)を発表した。調査は2021年1月~2月に行われたもので、13ヵ国750名の経営者より回答を得た。これにより、経営者の気候変動に対する見解や、現時点で行っている取り組みなどが明らかとなった。
気候変動に関するグローバル意識調査で、6割を超える経営者が「アクションを起こせば未来は開ける」と回答

「今が気候変動対策の転換期」という懸念は、経営者の6割が感じている

昨今の気候変動による環境変化は、自然災害を始め、産業・経済にもさまざまな影響をおよぼしている。間近に迫るこの脅威に、経営者たちはどのような見解を持ち、対策を講じているだろうか。

はじめに「環境に関する各項目にどの程度同意するか」を尋ねたところ、「同意する/強く同意する」の合計が最も多かったのは、「すぐにアクションを起こせば、気候変動の最悪の影響を抑え込み、よりよい未来に向けて進むことができる」で63%だった。また、「世界は気候変動に関して転換点にあり、未来はどちらの方向にも向かい得る」が59%、「すでに取り返しがつかない状況であり、気候変動によって引き起こされた損害を修復するには手遅れである」が34%となった。過半数の経営者は、現在が気候変動の転換点であるという懸念を抱きつつ、アクションを起こせば最悪な状況は避けられ、未来に希望を持つことができると感じているようだ。
気候変動に関するグローバル意識調査で、6割を超える経営者が「アクションを起こせば未来は開ける」と回答

気候変動の取り組みは「従業員や取引先を巻き込んで実行している」フェーズ

続いて、「すでに講じている気候変動への取り組み」を尋ねた。その結果、最も多かったのは「公益観点を持ち、気候変動に対処するアクションを取る」で49%、2位は「サプライヤーや取引先に特定の気候変動に関する基準の順守を働きかける」で48%、3位は「より持続的な原材料を使う」で46%だった。これらを踏まえると、多くの企業で実際に具体的な対策が進められていることがわかる。

また、昨年調査から数値が顕著に増えた項目を順に見ると、1位が「日常的な通勤を減らし、テレワークを推奨する」(+19ポイント)、2位が「経営層を教育する」、3位が「従業員のアクティビズムをサポートする」(いずれも+12ポイント)となった。昨年以上に、企業内部の取り組みが全社的な活動として浸透してきていることがうかがえる。
気候変動に関するグローバル意識調査で、6割を超える経営者が「アクションを起こせば未来は開ける」と回答

ビジネスのステークホルダーの存在が気候変動対応を加速させている

最後に、「今後、気候変動の取り組みを加速させていく動機はなにか」を尋ねた。すると、「投資家や株主からの要求」が38%と最も多く、取り組みには主にステークホルダーからの期待が大きく影響していることがうかがえる。また、「従業員や社外の活動家からの要求」も35%と高く、社会的なアクティビズムの存在感も大きいようだ。さらに、「気候関連災害の深刻化」が32%、「業務や財務への直接的な負の影響」が31%と、気候変動がビジネスへダイレクトに影響する懸念も、主要な動機であることがわかった。
気候変動に関するグローバル意識調査で、6割を超える経営者が「アクションを起こせば未来は開ける」と回答
気候変動対策への抜本的な取り組み目標として、「カーボンニュートラルの実現」や「SDGsの目標達成」を経営目標の重点項目に据える企業も増えている。企業としての積極的な姿勢を示し、社会全体の波及効果にも繋げていきたい。

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