株式会社電通は2022年9月29日、Z世代の就活最新動向を調べた「Z世代就活生 まるわかり調査2022」の結果を発表した。調査期間は2022年7月16日~26日で、就職活動を終えた2023年卒業予定の全国の大学生・大学院生863名から回答を得た。これにより、Z世代の就活生が、活動中に企業のイメージが良くなった/悪くなった経験の有無やその理由と、企業選びで重視したことなどが明らかとなった。
23卒の約9割が「就活を通じ企業イメージが好転した」経験アリ。2割は「オヤカク(親の確認)」が内定承諾に影響

「就活を通じて企業や商品のイメージが良くなった/悪くなった経験」の有無は

1990年代半ばから2000年代の初めに生まれた「Z世代」の就活生は、どのような価値観を持ち企業を選ぶのだろうか。はじめに、電通が「就活で企業や商品のイメージが良くなったことはあるか」と尋ねると、「良くなったことがある」が46.6%、「まあある」が42.8%で、「就職活動をきっかけに企業イメージが良くなった」と答えたのは計89.4%となった。

一方で、「イメージが悪くなったことはあるか」の回答では、「悪くなったことがある」が31%、「まあある」が32.5%で、これらの合計は63.5%だった。
就活で企業のイメージが良くなった/悪くなったことはあるか

イメージが悪化した理由は「面接官の印象」

また、同社は「就活により企業のイメージが悪化した」とした回答者に「その理由」を聞くと、トップは「面接官の印象が良くなかった」で67.1%でとなった。以下、「社風が古いと感じた」が38.1%、「選考結果の発表が遅かった」と「OB・OG訪問で会った社員の印象が良くなかった」がともに31.8%で続いた。
就活で企業イメージが悪化した理由

企業選びで最も重視するのは「社内の風通しの良さ」と4割強が回答

次に、同社が「企業選びで最も重視していたこと」を尋ねると、「社内の風通しの良さ」が42.4%で最も多かった。続いて、「会社や業界の将来性」が40.3%、「安定した収益性」が38.8%となった。同社は、この結果について「Z世代の就活生は企業の社風を重要視する傾向がある。出世競争や上昇志向よりも、オープンでフラットな関係性を大切にする価値観が反映された結果ではないか」という考察を示している。
企業選びで重視していたこと

6割以上は就活の情報収集に“動画メディア”を活用。SNSの活用も多数に

さらに同社は、就活における情報収集方法手段についても聞いている。「就活でYouTubeを活用したか」という問いでは、「かなり活用した」(22.2%)と「まあ活用した」(41.1%)の合計が63.3%となった。
就活でYouTubeを活用したか
また、「就活に関する情報収集で使っていたSNS/デジタルプラットフォーム」について尋ねると、最多となったのは「LINEオープンチャット」で59.7%が回答。以下、「Twitter」が59%、「Instagram」が46.8%と続いた。
就活の情報収集で使っていたSNS/デジタルプラットフォーム

就活生の内定承諾には、「就活口コミサイト」とともに「親・家族・親戚」が影響か

最後に、同社は「内定を承諾する際に影響を及ぼしたもの(サイト名、人など)」について尋ねた。その結果、1位に「ONE CAREER(内定者の口コミがわかるサイト)」(22.6%)、3位に「オープンワーク(社員の口コミで企業を評価するサイト)」(19.8%)がランクインした。Z世代の就活生は、企業選びにおいて口コミを参考にしていることがうかがえる。また、2位が「親・家族・親戚」(20.7%)と上位となっていた結果を受け、同社は「内定承諾には親などの確認も影響している。Z世代に特徴的な『家族との距離感の近さ』が要因として考えられるのではないか」との見解を示した。
内定承諾の際に影響したもの
Z世代の就活生の4割が、企業選びの基準として「社内の風通しの良さ」を重視し、採用活動を通して企業の社風を感じ取ろうとしているようだ。実際に、多くの23卒生が「選考中の出来事で企業イメージが変わった」と答えている。今回の調査結果を参考に、企業側も学生から選ばれる立場であることを改めて認識し、「採用ブランディング」の観点から自社の採用活動を振り返ってみてはいかがだろうか。

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