コロナ禍で就職活動を行う22年卒学生をどう支援すればいいのか。思うように活動できない学生の実態も浮き彫りに

株式会社日経HRは2021年1月25日、「22年春卒業予定者の就職環境・就職支援」と「インターンシップや採用選考に関する国と企業への要望」等に関する調査結果を発表した。調査期間は2020年11月24日〜12月8日で、76校(大学:70校、短期大学:3校、専門学校:2校、大学院大学:1校)の大学等のキャリア教育・就職支援担当者77名から回答を得た。これにより、22年卒採用における就職支援担当者の見解や、企業への要望などが明らかとなった。

9割の担当者が「悪化」と予測するも、「リーマンショックほどではない」が過半数に

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けている就職活動だが、はじめに「22年卒の就職環境は21年卒と比べてどうなると予測しているか」と尋ねた。すると、「かなり悪くなる」は19.5%、「やや悪くなる」は68.8%と、「悪くなる」が合わせて9割近くにのぼる結果に。「かなり悪くなる」や「やや悪くなる」とした回答者からは、「影響はさらに広がると想定しており、22年卒は10年卒から11年卒の状況と近いものになるのではないか」、「学生が大学に来ないことによる就職活動の不活性化を予想する」などの声があがった。

また、「リーマンショック時と比べどうなると見ているか」では、「リーマンショックほど悪化しない」が56.7%、「リーマンショック並み」32.8%であわせて89.5%となり、「リーマンショック以上の悪化」を見込む就職支援担当者は1割程度にとどまった。
21年卒と22年卒の就職活動の予測

学内企業説明会は6割がオンライン、支援手段は多岐にわたる

続いて、22年卒の就活支援について調査を実施。学生と企業の接点である「学内説明会」の実施予定方法について尋ねると、「オンライン開催予定」が61%、「対面」と「未定」がともに19.5%となった。また、就職支援の実施方法は「オンライン」が94.8%、「対面」が83.1%となり、21年卒時と同様「オンライン」と「対面」の併用を中心に、「WEB」、「動画」、「電話」、「メール」など、あらゆる手段による支援・情報発信で対応する構えであることがうかがえた。
22年卒の学内企業説明会の実施方法

4割以上が「22年卒のインターンシップは21年卒より少ない」と回答

続いて、インターンシップにおける新型コロナの影響を尋ねた。22年卒のインターンシップの参加状況を尋ねると、21年卒に比べて「非常に少ない」が16.9%、「やや少ない」が26%と、合計42.9%にのぼった。一般公募のインターンシップが減少したことに加え、大学主導のインターンシップが減っていることも要因の一つと推測される。また、インターンシップのオンライン実施や、学生の動きが見えないことにより、参加状況を「把握できていない」が22.1%となった。
22年卒のインターンシップの参加状況

22年卒採用選考に関する企業への要望は「適切なスケジュール」

「22年卒の採用選考に関する企業への要望」を尋ねると、長年課題となっている採用スケジュールに関する要望として、「早期から活動が難しい学生への配慮」や「定期試験期間はインターンシップを避けてほしい」等があがった。また、オンライン・対面などの選考方法については、都市部と地方の大学で意見が分かれる結果に。以下、回答を一部紹介する。

●選考スケジュールについて
・授業のオンライン化による3年生の学業への影響は大きい。3月広報解禁・6月選考開始のスケジュールを遵守し、学業に集中できる環境整備に協力してほしい。
・インターンシップからの早期選考につながる動きを懸念している。「適切な時期に適切な準備」を考慮した採用活動を。

●選考方法について
・選考のオンライン化は、地方の大学生にとって交通費等の負担軽減につながった。説明会や面接は引き続きオンラインで実施してほしい。
・学生は一度も会社を訪れずに進路を決めるのは不安だから、最終面接は対面で実施してほしい。
・採用・選考も対面でじっくり学生の資質を見てもらいたい。

●採用について
・通年採用の検討について状況を知りたい。
・厳しい状況ではあるが、外国人留学生にも応募の機会を与えてほしい。
・経済界全体として「第二の就職氷河期世代」を作らないようにしてほしい。

●学業への影響について
・通常授業期間中の平日に開催されるイベントはできる限り控えてほしい。
・留学や実習等の事由により早期から活動が難しい学生に配慮してほしい。

インターンシップに関する要望は「目的・内容の明示」など

また、インターンシップに関して企業に要望することを尋ねると、「プログラム内容」、「目的・内容の明示」、「学事日程への配慮」、「機会増」等さまざまな要望があげられた。以下、回答の一部を紹介する。

●プログラム内容・実施期間につて
・5日以上かつ40時間以上のインターンシップを実施してほしい。
・実際の業務体験、業務への動向など、学生が社内のリアルな雰囲気や業務を理解できるプログラムを工夫してほしい。

●学事日程への配慮
・インターンシップの開催時期や時間帯は授業を優先させるよう配慮してほしい。

●機会増
・1dayでもよいので多くの学生を対象としてほしい。
・オンライン、対面などいずれの形式でも、広く学生が参加できるようにしてほしい。
・学生を受け入れている企業に感謝している。大変な中ではあるが、これまで以上に低学年生にもインターンシップの機会が開かれるようにしてほしい。

●目的・内容の明示
・事前に「インターンシップの目的」、「ポリシー」、「内容」を明示してほしい。
・インターンシップを採用前提とする場合、事前にきちんと学生に説明を。(インターンに参加できなくても、本選考に応募可能ならその旨を学生にはっきり伝えてほしい)

●その他
・新型コロナの影響で、対面型インターンシップの参加については学生側も不安がある。募集段階で、企業内で実施している感染防止対策の明示や参加した際の安全確保について、もう少し詳しい説明をしてほしい。


新型コロナの影響により、22年卒予定の学生は「苦しい就職活動を強いられる」と感じている就職支援担当者が多いようだ。企業として、学生への適切な情報開示や採用活動に努めたい。