世界最大級のグローバル人材獲得のためのジョブフェア、「ボストンキャリアフォーラム2013」が、アメリカ・ボストンで11月8日(金)~10日(日)に開催された。
グローバル人材採用の現場を見て感じた、日本の新卒採用システムの違和感~「ボストンキャリアフォーラム2013」緊急レポート

主に日本語、英語のバイリンガルの日本人留学生、外国人を採用するためのイベントであり、200社を超える企業の参加は過去最大で、3日間で延べ1万人近い留学生、外国人が参加する、世界的に見ても群を抜く規模のジョブフェアである。IHI、IBM、アマゾンジャパン、イオン、NEC、NTTドコモ、外務省、キリンビール、サントリー、サイバーエージェント、ジェイアイエヌ、J.P.モルガン、シティグループ、ソニー、ソフトバンクグループ、TWITTER JAPAN、電通、東京海上日動火災保険、日本銀行、日本マイクロソフト、野村證券、パナソニック、日立製作所、ファーストリテイリング、フジテレビジョン、フューチャーアーキテクト、ボストン・コンサルティンググループ、マッキンゼー・アンド・カンパニー、三井住友銀行、三菱商事、三菱東京UFJ銀行、モルガン・スタンレー、ヤフー、楽天など、幅広い業種の主要企業、ベンチャー企業が参加している。

 今年のデータはまだ集計されていないが、昨年のデータでは、参加者の多くは日本人留学生で、英語レベルは母国語が約3割、ビジネスが約6割、MBA取得者が約2割、4人に1人程度が職務経験者という。

 会場を巡ると、そこには多くの学生たちがいて、各参加企業が大小のブースをかまえ、設置された椅子席に学生が座り、企業の説明を熱心に聞いている。一見すると日本の合同企業説明会と似ている風景なのだが、何だか雰囲気が違う。日本のそれとは違い、学生たちの目が真剣で、目的を持って会場内をきびきび動いていることが感じられるのだ。
さらに良く見ると、広大な会場に、通常の説明ブース(ブルーのカーテンウォール)とは違う、白いカーテンウォールに包まれたブースが多数ある。どちらかといえば、この白いほうが多くの面積を占めているように見える。しかも一つ一つが閉め切られている。一体ここで何が行われているのか?
 これらは「インタビュールーム」と呼ばれ、企業が学生と一対一の面接ができるスペースだった。学生は、事前にネットから面接を予約申請し、企業側で審査の後、通った学生が当日面接を受けられる。また当日飛び込みでも、面接に至るケースが少なくないという。
 ブースの前や共有のメッセージボードには、面接の合格者の氏名がいきなり貼り出されていたりして、初めて見るものとしてはドキッとしてしまう。日本の合同説明会ではあり得ない風景だ。学生たちの目が真剣で、きびきびと動いているように感じられたのは、この3日間で内定を獲得しようとする意識の現れからだろう。

 参加している学生たちに話を聞くと、このシステムに全く違和感を持っていないことが分かった。「勉強が忙しく、遠方から来ているので、3日間に集中して選考が受けられるのは有り難い。ぜひ希望の企業から内定を獲得したいと思う」「ここに来て初めて知ったベンチャー企業に興味を強く持った。一度に複数企業の面接を受けられるので、比較検討もしやすい」などの声が聞かれた。

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