今までに無かった創造的なものを創ったり、画期的なビジネスの仕組みを創り上げた改革者達がいます。
時代を創りだす改革者達の教育

これらの人々に共通することは何かお解りですか?

 彼らは皆、モンテッソーリ教育によって育てられました。他にも、世の中に大きな影響を与えた、現代経営学の父と言われた「ピーター・ドラッカー」や、個性的な映画俳優の「ジョージ・クルーニー」などが、この教育でした。
 代表的な教育理論としては、モンテッソーリ教育理論、シュタイナー教育理論、ヂューイやルソーの教育理論などが知られています。日本においても、このような教育理論を導入して、保育や教育をする学校、団体がありますが、欧米ほど知られていません。その中で、モンテッソーリ教育とは、1900年代にイタリアで生まれ、欧米を中心に一気に広がり、米国では2度に渡りモンテッソーリ教育の大ブームが起こりました。特徴としては、与える教具の形や素材、手触感に拘り、教具を通し、暗記でなく経験に基づいて質量や数量の感覚を養う、感覚教育に拘った教育です。

 また、常に子供を観察しながら、子供に「自由な環境」を提供して知的好奇心を育み、自発性が自発的に現われることを重要視しています。このような教育方針が、子供の創造性を醸成すると考えられているようです。モンテッソーリ教育だけが創造性を発揮する変革者を生み出すとは言えないと考えます。しかし、前述のような時代の変革者が生まれた背景に、子供のころからの教育で、創造性と主体性に着目することが、何らかの影響を与えるように思います。

 一方、モンテッソーリ教育は一人一人の個性は育つが、協調性が無くなるという意見もあります。日本では、個性や自主性を育てるより、協調性や規律を重視する教育を行ってきました。その結果、日本人はチームワークや規律を重んじる文化を作り上げた背景があると考えます。

 しかし、近年は個性や、自主性を強化する教育が広がりつつあります。近未来の日本で、世界を変える変化者が続々と生まれることになると良いと思います。

HR総合調査研究所 客員研究員 下山博志
(株式会社人財ラボ 代表取締役社長/ASTDグローバルネットワーク・ジャパン副会長)

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