せっかく入社しても、短期間で会社を辞めてしまう若い社員が後を絶たないという。ところが、その若手が転職先でイキイキと働いているかと言えば、必ずしもそうとは言えないようである。それは一体なぜだろうか。

「職場に不満がある」という問題は、転職では解決できない

学卒新入社員が「職場に不満がある」という理由で転職するケースは少なくない。

厚生労働省が発表した「新規学卒者の離職状況」によると、平成27年3月に卒業した学卒新入社員のうち、就職後3年以内に離職した割合は大卒者が31.8%、短大等卒者に至っては41.5%に及んでいる状況である。理由は「思っていた仕事と違う」、「仕事が厳しい」、「人間関係が悪い」など、さまざまなようだ。

ところが、このような若手社員が転職先でもまた職場に不満を抱くというのは、よくある話である。「まだ前職のほうがましだった」という声を聞くことさえあり、再度の転職に至るケースも少なくない。中には、転職を頻繁に繰り返すようになる若者、定職に就かなくなる若者などもいるという。

職場に不満を持って転職した若手社員は、新しい環境でも「職場の不満点」に過敏になりがちである。「前職で感じたような思いは、二度としたくない」という気持ちから、そのような状況になるのであろう。

しかしながら、世の中に完璧な会社など、そうそう存在するものではない。ほとんどの組織が、多かれ少なかれ課題・問題を抱えているものである。

そのため、職場に不満を感じて転職した若手社員は、どのような職場に移ったとしても、何かしらの問題を発見することとなり、新たな不満を抱くことが多くなる。

結果、転職したにもかかわらず気持ちよく働くことができず、ケースによっては転職を頻繁に繰り返すようになってしまうのである。

このように、転職という行為は「職場に不満がある」という問題の解決手段にはなりづらいものである。職場に不満を感じて行う転職は、総じて、上手くいきにくい傾向にある。

“前向きな理由”が転職を成功に導く

これに対して、「○○をやりたい」、「○○になりたい」などのように“前向きな目的”があり、その実現のために行う転職は、比較的上手くいきやすいようである。

たとえば、「旅行に関わる仕事をしたい」との思いがあり、旅行会社に転職する、「税理士になりたい」という目的があり、受験勉強をしながら働ける職場に移る、などのケースである。

このように、“前向きな目的”を持って選択した職場では、自身の目的実現の妨げにならないのであれば、他の社員が不満に感じるような事柄もあまり気にならないものである。この傾向は、目的に対する思いが強ければ強いほど顕著である。

従って、転職を成功させたいのであれば、自分自身の「やりたいこと」や「なりたいもの」が明確になった時点で決断するに越したことがない。しかし、社会に出たての若者が、限られた社会経験の中で自身の「やりたいこと」や「なりたいもの」を見つけ出すことは容易ではない。

何はともあれ、3年間はがむしゃらに頑張る

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