・自ら考え、動く社員
・自律的な社員
・言われたこと以上のことする社員
を育成したい、とお答えになられます。
それくらい、最近の新入社員は、「ものを考えない、自分で判断しない」と見られています。
・待ちの姿勢で、言われないと何もしない
・言われたことはやるが、それ以上はしない
・意味も考えず言われたことをやるので、トンチンカンな失敗をする
・失敗から学ばないから、同じ失敗を繰り返す
・相談しないで、勝手に進める
などという“苦情”めいた発言も聞きます。
仕事は、与えられた権限の範囲であれば、自由にできるもので、その権限は、実績と信用を積み重ねることで、広がっていくものです。言われたことしかしない、プラスαを考えないという状態では、その権限の幅はどうやっても、広がりません。
それが組織の論理でしょう。
「言われたことしかしない、考えない」代わりに彼らが獲得するのは、「責任を取らなくてもよい位置」ではないかと思います。
もしかすると、案外、その位置を狙っているのかもしれません。
「サラリーマンには自由が非常に少なく、拘束される面が大きすぎる」という設問に対する回答傾向は、
そう思う 32.5%
わからない 32.3%
そう思わない 35.2%
となっています。
「そう思わない」と答えた人が、2007年の34.4%から2011年に42.9%まで上昇したのち、どんどん減り続け、今年は前年より4.7%も減りました。ただし、前年との比較でみると、「そう思う」という回答が増えたわけではなく「わからない」という回答が5.5%も増えたのです。
その他の意識調査結果も合わせて考えると、「仕事とは何か?」、「働くとは?」ということに明確なイメージを持てなくなっている人が増えたのではないかと推察しています。
「働く」ということのイメージが乏しければ、一歩踏み出して何かしようという意識が弱くなることも想像に難くありません。
ただ、自ら考えようとしない、積極的に行動しない新入社員が増えているとの現場からの意見ですが、実態は「教えてないからできない」ということが多いのも事実です。
「教えて」もその範囲しかやらないので、さらに教えることが必要なのではありますが。
ここは「教えたことはやる」ということを逆手に取って、綿密な育成計画のもと、必要なことを教えて、機会を作って実践させ、できる幅を増やすしかないのではないかと思います。
自らの環境を打開するには、地道な努力を積み重ねるしかないのですが、それを自己啓発や自己マネジメントではなく、外部マネジメントで回すようにすることが初期教育では必要なのでしょう。ただし、外部マネジメントではあっても、絶えず本人に「考えさせ、選ばせる」という作業は必要です。
弊社の研修運営でも、「こう考える」「このようにする」ということを教えるのではなく、まず
・この課題をどう思うか
・それに対して、あなたはどうするのが良いと思うか
・それはなぜか
等グループや個々人に考えさせ、その上で「どうしたらよいか」「どう考えるか」の枠組みを示す、といった展開が増えています。
内定者研修の段階から、このような姿勢で臨むことが必要かと思われます。
みなさんの会社ではいかがでしょうか?
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