従業員エンゲージメントを高めパフォーマンス向上を

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人と仕事の関係も、エンゲージメントで説明できます。例えば、会社のオーナーと彼の仕事の関係は「完全なエンゲージメント」です。ビジネスのアイデアを出す、オペレーションに精を出す、営業に駆け回る。気持ちも知識も行動も、完全に仕事と一体となっています。一方、一般的なサラリーマンと彼の仕事の関係は「部分的なエンゲージメント」です。仕事は給料のためであり、言われたことはソツなくこなすが、自発的にアイデアを出そうとはしません。最悪なのは「ディスエンゲージメント」です。上司の悪口を言ったり、愚痴をこぼしたり。これでは幸せになれません。
エンゲージメントについて調べた、いくつかの調査結果をご紹介しましょう。ギャロップの調査では、従業員と彼の仕事の間に完全なエンゲージがあるのは、アメリカ企業は29%、日本企業は7%でした。部分的なエンゲージメントは同54%、同68%です。一方、タワーズ・ワトソンの調査では、高いエンゲージがあるのは、グローバル企業は35%、日本企業は15%と半分以下でしたが、さらに問題なのはディスエンゲージが日本企業は50%もあったことです。
また別の調査では、従業員エンゲージメントの高い企業は、そうでない企業に対し、202%のパフォーマンスを発揮すると分析されています。企業経営では、いかに従業員エンゲージメントを高めることが大切か分かるでしょう。

出発点は「尊重されている」という思い

従業員エンゲージメントを高めるには3つの要因があります。直属の上司への満足度、経営幹部への信頼、組織への誇りです。しかし、これら全ての出発点は、従業員が一個の人間として「尊重されている」と思えることです。この思いがあるから、やる気も出るし、熱意も湧くし、鼓舞されるのです。でも実際はどうでしょうか。皆さんの企業のリーダーは部下に対し、「君のおかげだよ」「君の仕事は素晴らしい、評価に値する」といった声を掛けているでしょうか。多くの企業では、そうでないでしょう。
従業員が「自分は尊重されている」と思っているのならば、次の段階に進めます。彼は自信が出てきて、もっと頑張ろうと思うでしょう。グローバルの時代で新しい事業を始めるような場合も、喜んでリスクを取って、責任を持って仕事を引き受けてくれるでしょう。そして、そのような気持ちで取り組む仕事は、成功率も高いのです。

原則1は「批判も、非難もしない。不平も言わない」

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