第2章「メンタリティマネジメントを支える5つのキーワード」では、ストレス、メンタルタフネス、認知行動療法、エンゲージメント、EQという5つの言葉が紹介されている。これらは職場の活性化施策で不可欠な武器だ。人事初任者はその意味と方法をしっかりと学んでもらいたい。

 興味深いのは第5章で紹介されているGLTDだ。GLTDとは、Group Long Term Disabilityの略で、日本語では団体長期障害所得補償保険と訳される。会社を通じて加入する団体保険で、加入企業の従業員が病気やケガにより長期間にわたって働くことができなくなった場合、月々の給与の8割から全部が補償される。働けなくなり、収入が断たれるリスクをカバーしてくれる保険だ。

 この保険は「安心して働ける環境」を提供するから、社員のモチベーションの向上に寄与するし、リクルーティングでも効果があるだろう。
 ただメンタルヘルス対策と同じく、GLTDの導入は遅れている。本書によれば、導入している会社は上場企業の1割程度だそうだ。上場企業で1割なら、中堅中小では皆無に等しいのだろう。GLTDはもう少し知られていい制度だと思う。
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