人事自身が変わるべきだと思っている

「人事×経営」:経営の戦略パートナーとしての人事
当の人事は自らのことをどのように考えているのでしょうか?
HR総研の調査では「人事自身は変わるべきだと思うか?」という設問に対し、「変わる必要がある」と回答したのは65%と過半数を大きく超えています。「自社の人事部門の役割は変化している?」という設問に対して「強く感じる」という回答は23%と約4分の1ですが、「感じる」は47%と半数近くあり、両者をあわせると7割に達します。
人事はどのように変わろうとしているのでしょうか。その方向は「いまと5年後の人事評価尺度は?」という設問でわかります。
「経営戦略と人事戦略の合致度」、「従業員満足度」、「組織活性度」、「戦略的人材配置の達成度」の4つに関しては5年後がとても高くなっており、高い関心を寄せていることが読み取れます。とくに5年後の「戦略的人材配置の達成度」のスコアは現在の3倍になっており、多くの人事が共有する課題です。
「人事部門自体の課題は?」についての設問で高いスコアになったのは「経営戦略に沿った人事制度・施策の企画」、「人事育成プログラムやシステム開発」、「経営戦略構築への参画」の3項目。どうやら戦略や育成に対する関心は本物のようです。

日本企業の人事課題--視点1「リーダーの欠如」

これまでご紹介した内容を踏まえた上で、日本企業の人事課題についてお話しします。
まず経営目線で人事を見ると、視点1として「リーダーの欠如」が上げられます。
「DDI社のリーダーに関する世界な的調査でのリーダー層に対する設問で、自社のリーダーの質が「完ぺき」、「非常に良い」と回答した率は全体で38%でした。ところが日本は4%と圧倒的に低いレベルです。日本独特の謙遜さが反映されたとも言えますが。あまりにも低い数字です。そしてLIXIL副社長の八木洋介氏は「日本企業のフォロワーの質は最高だが、リーダーの質は最低」と証言しています。
そもそも日本の「プロの経営者」は現場経験の自助努力で成長した人がほとんどで、欧米企業のように選抜人材の育成に投資を集中的にしている礼は少ないのです。
HR総研の調査でも「現状の社員の問題」でもっとも多い悩みが「経営幹部候補が育っていない」であり、「強化したいビジネススキル研修」で最も多いのは「リーダーシップ研修」です。
また「能力開発の方針」では「社員全体の能力を高める」が今後減り、「選抜社員の能力を高める」が増えています。はっきりした変化とまでは言えませんが、選抜人材の育成にシフトしつつあると言えるでしょう。

日本企業の人事課題--視点2:「日本的人事の変革」

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