トークセッション 「急拡大するインド経済と排出する優秀人材について」

HRサミット2012講演レポート

パネリスト
株式会社サンアンドサンズアドバイザーズ 代表取締役社長 サンジーヴ スィンハ氏
モデレーター
マーサー ジャパン株式会社 代表取締役社長 古森 剛氏

◆日本企業はグローバル化が”現場でできていない”状態
トークセッションは、古森氏の次の問題提起から始まった。
「実際に現場で感じるのは、構造やシステムは確実に変化しつつあるが、“人”という要素の変化が追いついていないという点だ。」
多くの企業では、まだまだ日本で働く日本人が海外の問題解決に取り組んでいるのが現状。
それぞれの部門において適切なタレントの配置が行われているか、検証をするべきだとした。
 この問いかけに対し、スィンハ氏はグローバル化が避けられないことを改めて強調した。今起こっているグローバル化の波はこれまでのものと違い、日本国内市場においても海外資本との競争を強いられるものとなっている。また、国内市場を満たすためにも国際的なサプライチェーンを築いている企業がいかに多いか、先日のタイでの洪水が証明をした。グローバル化の影響を受けない企業はないとスィンハ氏は断言した。

◆日本と最適な相互補完関係にあるインド

「日本企業がグローバル化を勝ち抜くために最適な相互補完関係にあるのがインドだ。」とスィンハ氏は語る。「人口小/超高齢社会/技術先進国/成熟市場」である日本と、「人口大/若者社会/技術発展途上国/成長市場」であるインドは、それぞれ対照的な特徴を持ち合わせている。その両方を組み合わせることで、グローバル化に必要な要素を持ち合わせた企業になることができると言う。
 スィンハ氏は、インドがダイナミックに変化をし続けていることを理解することの重要性を強調した。多様性に富み、発展めまぐるしい社会環境の中で育ってきたインド人材は、日本に欠けがちな柔軟性を持ち合わせている。計画等の意思決定は早くしながらも、その実施に関しては現場にあわせて柔軟に変えていきながら進めていくのがインド的なやり方だと、スィンハ氏は言う。日本での仕事の進め方とは大きく違う。しかし、これを相互補完的な関係とみることが必要である。実際に、国際的な企業の日本支社長をインド人・インド出身者が勤めていたケースがたくさんある。これは日本と世界との架け橋をインドが果たせることを証明していると考える。
「インドは日本のことを尊敬している」とスィンハ氏は語る。特に勤勉さ、技術力の高さ、文化力は学びたいと思っている。ただ、日本企業には世界がインドをめぐって争っていることを認識して欲しいと語る。例えば、IIT(インド工科大学)の卒業生は世界のあらゆる企業からオファーが来る。初任給で1000万円を提示する企業もある。ただ、インドはまだ発展途上国である。日本のように機会の平等が保障されていない。優秀な人材、日本企業に合う人材は世界が注目する有名大学以外にもたくさんいる。また、日本に来ている留学生は、日本に対して一定のコミットメントを既に行っている。それを評価し、活用をしない手はない。
 多くの日本の企業において、現場でグローバル化を起こす変革のエージェントが求められている。インド人材の活用を通じてそれを達成し、勝ち抜ける組織に変革をすることがとるべき選択肢だと感じさせるトークセッションであった。
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