「The role of HR as a change agent in globalization」 トークセッション 「グローバル化の文脈におけるチェンジエージェントとしての人事の役割」

HRサミット2012講演レポート

パネリスト
三菱ふそうトラック・バス株式会社 組織戦略・HRプランニング部部長 ブアカット・イエンツ氏
モデレーター
マーサー ジャパン株式会社 代表取締役社長 古森 剛氏

◆グローバル化時代における人事の役割とは何か?
 「人事には様々な機能が求められるが、グローバル化の文脈においては大きく4つの機能が求められている。」と語るのは古森氏。管理、ビジネスパートナー、中央集約化、アウトソーシングである。注意したいのは、「本当にグローバル的視点に立っているか?」という観点である。
日本国内の管理や情報の集約につとめる一方で、海外の実状を把握できていないケースが散見される。また、もうひとつ注意したいのはグローバル化に伴う権限委譲の弊害だ。人事がそれぞれの事業部に働きかけ、能動的に貢献していく基盤を作ることが今求められている。
 これに対して、三菱ふそうトラック・バスでは、人事は大きく5つの機能をはたしているという。変革サポート、組織開発、プロジェクト支援、コーチング、そして人材育成だ。そして、これらの活動をダイムラーグループ本社のシステムで一括して管理しているという。どのプロジェクトが、どの人を必要とするかについて議論することがHRで一番多いとイエンツ氏は語る。
この意味を理解するためには、現在、三菱ふそうがダイムラーグループの一員であることを押さえておく必要がある。2005年にダイムラーグループの一員となって以来、制度・システムの統合が進められてきた。しかし、当初2年かけて行われた取り組みは大きな成果を挙げられなかった。イエンツ氏は今回、15ヶ月間をかけて再度挑戦し、やっと一定の成果を挙げられたのだという。

◆根本的な問題解決をしつつ、良きコミュニケーターになることが重要

「過去、HR部門で600以上のシステムが稼動をしていた時期もあった。」とイエンツ氏は明かす。しかし、それが現在は3つのメインシステムに統合されている。現在ではシステムの80%が統合され、20%だけがカスタマイズされたものとなっている。
 イエンツ氏は「多くのバックオフィス業務を削ることができた。」と語る。また、それ以上にダイムラー・クオリティかどうかを簡単に判断できるようになったことを成果として語る。例えば、プロジェクトごとの平均エンジニア数を世界規模で比較することができる。三菱ふそうとダイムラーグループ、両者の基準による二重の判断をカットできるようになったことが大きい。
 人事の社員として、問題解決に徹すること、そして良きコミュニケーターでありつづけることを目指したというイエンツ氏。当初、現場からシステムや制度の統合は求められてはいなかった。しかし、よくコミュニケーションをはかり、問題への一時的な対応でなく、根本的な解決に徹するようにした。現場の方がいいアイディアを持っている場合は、それをグループ全体に取り入れた。
" 最後に、イエンツ氏は人事として必要なスキルをもった人材を育成する難しさを語った。「現在、変革サポートを担当する管理職が本部に5名いるが、それでも育成は難しいと感じている。」
 企業のグローバル化の図り方はたくさんある。しかし、人事として能動的に関わっていくことの重要性、そしてその可能性を強く感じることができるトークセッションとなった。
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