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特別読み切り

厚生労働省「男性の仕事と育児の両立を応援 イクメン推進シンポジウム」開催 〜育てる男が、家族を変える。社会が動く。

HRプロ編集部
2017/11/10

厚生労働省は、2017年10月24日、東京・時事通信ホールにて「男性の仕事と育児の両立を応援 イクメン推進シンポジウム」を開催した。
このシンポジウムでは、男性の仕事と育児の両立を積極的に促進し、業務改善を図る企業を表彰する「イクメン企業アワード2017」と、部下の仕事と育児の両立を支援する管理職(=「イクボス」)を表彰する「イクボスアワード2017」の受賞企業および個人の取組内容や成果を紹介。これにより家庭と仕事を両立させる男性のロールモデルを普及させ、男性の育児休業の取得促進をはじめとする両立支援推進を支援することを狙いとしている。
冒頭、厚生労働大臣 加藤勝信氏による挨拶の後、「イクメン企業アワード2017」「イクボスアワード2017」とつづけて表彰式が行われ、グランプリ及び特別奨励賞に選ばれた企業・個人に表彰状と副賞のトロフィーが手渡された。各アワードの受賞企業は、以下の通り。

「イクメン企業アワード2017」「イクボスアワード2017」受賞企業・受賞者

■イクメン企業アワード2017(応募総数:42社)
【グランプリ】
・ソニー株式会社
・ヒューリック株式会社
【特別奨励賞】
・アクサ生命保険株式会社
・株式会社あわしま堂

■イクボスアワード2017(応募総数:90名)
【グランプリ】
・上野綾子氏
 オイシックスドット大地株式会社 販売企画室 週次企画セクションマネージャー
・廣岡隆之氏
 社会福祉法人 あいの土山福祉会エーデル土山 法人事務局 施設長
【特別奨励賞】
・神田充教氏
 株式会社ストライプインターナショナル 取締役兼CHO 人事本部長
・金智久氏
 大和リース株式会社 長野営業所 流通建築リース営業所 営業所長

働き方の本質に切り込んだ取り組みが増えた〜「イクボスアワード2017」 総評

表彰後には、各審査員から各アワードへの総評が述べられた。
「イクメン企業アワード2017」の総評を述べた駒崎 弘樹氏(イクメンプロジェクト推進委員会 座長/認定NPO法人 フローレンス代表理事)はアワードの意義について、企業の変化を後押しする取り組みだとし、「制度とともにその制度を利用しようという風土がないと世の中は変わっていかない。このアワードがその風土づくりの一環となれば」と語った。

つづけて「イクボスアワード2017」について、イクメンプロジェクト推進委員の小室淑恵氏(株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長)が次のように総評を述べた。
「イクボスアワードは今回で4回目を迎え、応募数は過去最高となった。賞の創設当初から審査員を務めているが、回を重ねるごとに参加企業のレベルが向上しており、ひいては日本社会全体のレベルアップを感じる」とし、今なぜイクボスが必要とされているかについて言及。
「日本は現在の出生率のままでは2100年には人口バランスが崩壊して財政破綻に陥る見通しだが、逆にあと2年で出生率を2.07程度に近づけることができれば人口減少と高齢化がゆるやかになり、バランスのとれた成熟した国になれる」と述べた。そして「日本の明暗が分かれるまでの残り時間はたった2年。子どもを産み育てやすい社会へ劇的に変わるためには、先輩世代とは違う方法を選択し、若い世代のために新たな道を切り開く中間世代が非常に大きな役割を担っている」とし、中間世代のロールモデルとしてイクボスの重要性を強調した。
「イクボスアワード2017」各受賞者は以下のようにコメントを述べている。

上野氏(オイシックスドット大地):自身も時短勤務・定時退社の実践者であり、子育てとの両立経験がマネジメントに活きている。夕方開始の会議をなくす、会議参加のメンバーを絞り込むなど、子育て社員のニーズを叶える取り組みを行っている。

廣岡氏(あいの土山福祉会エーデル土山):子育てとの両立が特に難しい介護業界において、施設長自ら取り組みをリード。職員の急な欠勤にも柔軟に対応できるよう余剰人員の配置に踏み切ったり、職員の負担を軽減する介護機器を積極的に活用したりと、投資を惜しまず成果に結びつけている。

神田氏(ストライプインターナショナル):部下が多様化した現代のマネジメントにふさわしい「コーチング手法」を実践している。また定時退社を評価と結びつけることで成果を挙げている。若い世代が多く長時間労働が課題のアパレル業界で、働き方改革をぜひ全国に広めてほしい。

高金氏(大和リース):「モーレツ残業」のイメージがあった企業だけに社内変革に驚いた。業界特有の体育会的な雰囲気も大切にしながらイクボスを生んでおり、古い風土を持つ他社の参考になる。特に金曜日の原則アポ禁止ルールは土日を子どもと向き合う時間にするために非常に有効。

小室氏は最後に「働き方の本質に切り込んだ取り組みが増えてきた。働き方改革は職場に多様性を生み、多様な人材がイノベーションを生む。イクボスはこの流れをしっかり牽引してほしい」とまとめた。

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      伊藤 健二氏

      明治学院大学 学長特別補佐(戦略担当)

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    1958年、「ビジネスマンがスーツを、日替わりで着られる世の中にしたい」との想いを原点に創業し、現在では全国で約700店の紳士服、婦人服の店舗を展開するAOKI。全国の店舗で接客に携わる社員の約半数は、パートタイム労働者の「パートナー社員」で構成されています。その「パートナー社員」全員を2016年に無期転換し、両立支援制度「ギアチェン」を導入するなど、同社の取り組みは高く評価され、「第6回日本HRチャレンジ大賞」で大賞を受賞されました。本セッションでは、同社の人事部人事戦略企画室長、佐々木文仁氏による講演に続き、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科(MBAコース)教授、中川有紀子氏とのトークセッションが行われました。

    講師

    • 佐々木 文仁 氏

      佐々木 文仁 氏

      株式会社AOKI 人事部 人事戦略企画室長

      1994年株式会社AOKIへ入社。営業部でエリア統括・本社では店舗業務改善を経験後、2007年より人事部へ着任。約10年間AOKIの人事戦略・制度企画や採用、労使対応等まで幅広く担当。近年は、両立支援・正社員登用制度「ギアチェンジパッケージ」や有期社員の無期化、多様な正社員制度等を企画・導入。現在は、同社の人事戦略企画のほか、みずほ情報総研(厚生労働省委託)「平成29年度パートタイム労働者活躍推進事業パートタイム労働者のキャリアアップ支援検討委員会」委員を務める。

    • 中川 有紀子 氏

      中川 有紀子 氏

      立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科(MBAコース) 教授

      慶応義塾大学大学院後期博士課程修了。日米企業(銀行→証券→重電→電子部品→食品)にて25年以上、一貫して人事実務に携わり、過去5年は、海外人事部長と、大学での教鞭とのパラレルワーク。現在、立教大学大学院ビジネスデザイン研究科(MBAコース)教授。現在、東京都港区の行政評価委員(地方自治体のガバナンスをチェックする役割)を務める。著書・共著に、『ステークホルダーの経営学』(2009第1版、2016第2版/中央経済社)、『企業の不条理』(2010/中央経済社)、『経営哲学の授業』(2011/PHP研究所)などがある。