第2回 グローバル視点を持った人事のプロになるために

心は現代のマルコポーロ!隠れた宝「人財」を探し出せ!日本企業のグローバル人事を見つめて

  日本は今、規模や業種を問わず、多くの企業がグローバル化の必要性に迫られています。「それは大手の話。うちは関係ない」と思っていた企業も、これからは否が応でもグローバルな人材戦略を考えていかなくてはなりません。とはいえ、そこで自社に合わない研修を取り入れ、単に語学ばかりに注力するなど、間違ったアプローチをしては、効果が期待できないどころか、グローバル化の波に取り残されてしまう恐れもあります。では、真のグローバル人事とは一体何なのか。そのために何をしたらいいのか。第2回目の今回は、日本企業が抱えるグローバル人事課題と、その施策についてご紹介します。

グローバル人事に求められるものとは?

  日本企業には高いポテンシャルや技術力、そして素晴らしい考え方が備わっています。しかし、特にグローバル人事においては課題も少なくありません。では、グローバル人事に求められるものとは一体何なのでしょうか。1つ目のポイントは、グローバルガバナンス、グローバルエフィシェンシー、グローバルシナジーといった人事機能です。これらを実行するために、日本の人事部はより一層進化・発展していく必要があります。

 さらに2つ目のポイントとして、人事部が進化・発展していくためには、人事担当者のマインドセット・スキル・知識を高めていかなくてはなりません。では具体的にどのように向上させる必要があるのでしょうか。

 マインドセットに関しては、第一に海外との共通点を見つけること。日本と海外とでは、相違点ばかりでなく、共通点もたくさんあります。しかし、日本のことだけを見ている人には、海外との比較ができません。日本国内ではこういうことが起こっているが、海外でも同じことが起こりうるか。日本のやり方と海外のやり方では、どこがどう異なるのか。グローバル人事においては、これらを判断する力を身につけていく必要があります。そしてもう一つは、海外拠点ときちんとコミュニケーションを取ることです。本社の人事のあり方を海外拠点に伝える場合、駐在員を経由せず、直接現地に発信できるかが重要になります。いくら優れた考え方があったとしても、その考え方を海外の人たちに自分自身の言葉で、的確に伝えることができなければ、その施策や取り組みはうまくいかないでしょう。
 スキルに関しては、英語で自分の考えを明確に伝える力が求められます。例えば日本では会議になると黙ってしまう人、発言しない人の姿がよく見受けられますが、そうした消極的なスタンスはグローバルな舞台では通用しません。欧米では、会議で発言しない人は、いる意味がない、貢献していない…と評価されます。そういう意味からも、人事担当者ひとり一人が語学スキルを向上させるとともに、マインドセットを変えて、自信を持つこと、自ら発言していくことが、グローバル人事においては不可欠なのです。

 そして知識に関しては、グローバル人事を行っていくノウハウをきちんと学び、日本のやり方と比べ、どこが同じで、どこが違うのかを知ることが求められます。

英語で人事管理について学ぶ『英語de人事®』

  こうしたグローバル人事の課題を克服していただくために、弊社では英語で人事管理を学べる『英語de人事®』を開発しました。これは主に人事部所属の方や海外事業本部関連のスタッフの方を対象にしたプログラムで、HRの理論と実践について英語で学びながら、グローバル視点で物事が考えられる人事のプロを目指していきます。



【本講座のメリット】
・グローバル人事に関する知識が獲得できる
・事業のグローバル展開と密接に関わる人事の役割を理解できる
・海外で必要な英語の主要な言い回しと人事コンセプトを習得できる
・人事コンセプトと課題の議論を通じて、英語によるコミュニケーション力が向上する

【プログラム内容】
@グローバル人事としての役割
人事部がなぜ存在するかという根源的な問題から、グローバルで活躍する人事にとってこれから必要となる知識やスキルまで、幅広く言及します。

Aタレントマネジメントの理解と手法
企業の存続のために従業員がいかに時代に合ったコンピテンシーを身につけていくか、この課題に対し人事部がとるべき対処策について事例を交え解説します。

B従業員の業績管理手法
人事部として従業員の動機付けをどのように行い、いかに支援・評価していくか、そのポイントを探ります。

C報酬と福利厚生のあり方
従業員のニーズやビジネス状況に合った報酬体系、福利厚生などを提供して、従業員のモチベーションやパフォーマンス向上に結びつける仕組みについて学習します。

D従業員とのコミュニケーション戦略
いかに社内コミュニケーションを活性化させられるか。社員との絆や一体感を軸にしたコミュニケーションについて考えます。

Eコンプライアンスとリスク管理
ビジネスで生じる様々なリスクから企業を守るため、必要な法的義務と責任を確認して、適切なリスクマネジメントを実践していくためのポイントを学習します。


  • 教材ムービー

『英語de人事®』導入事例

  最後に、具体的な導入事例をご紹介しましょう。
 株式会社日立製作所では、マネージャーのための『英語de人事®』と、スタッフレベルの『英語de人事®』を実施しました。
 大手広告出版企業では、グローバル人事業務に携わる社員のHRM(Human Resource Management)力向上のため、英語でHRMの基礎を学び、外国人社員とのコミュニケーション力アップを図りました。実践的ロールプレイを用いることで、外国人採用面接においては企業理念、企業の方向性、社員キャリアパス等をしっかり伝えられるようになりました。
 大手人材サービス企業においては、組織人事コンサルタント向けコースとして、HRMでの課題をディスカッションし、クライアント企業のグローバル人事を成功へと導くリーダー育成を推進しました。

 『英語de人事®』という言葉だけを受け取ると、「英語が話せる人事になればよい」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに英語力は必要です。しかし、もっと大事な事があります。それは自分の考えを、日本語が理解できない相手に一生懸命に伝えようとする気持ちや姿勢です。そして自らが架け橋となり、海外との関係をより良いものにしていく――それこそが真のグローバルコミュニケーションだと思います。

【予告】
 第3回では、グラマシーエンゲージメントグループが提供する『英語deリーダーシップ®』および『英語de理念®』について、導入事例を交えながらご紹介いたします。

※本コラム中の取引先社名は、特別許可の上、記載させていただきました。

本コラムに関する質問・お問い合わせ、グローバル化推進に関するご相談については
下記よりお問い合わせください。


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著者プロフィール

グラマシー エンゲージメント グループ株式会社 代表取締役 ブライアン シャーマン

米国ニューヨーク市人事コンサルティング会社にて日系企業(NY・LA)を対象に人事コンサルタントとして従事。その後米国住商情報システムにて人事総務部長に就任。在米日系企業が抱える人事の現場を内と外の視点で支える。来日後は株式会社ファーストリテイリングでのグローバル人事業務に参画。欧米露アジア拠点の人事マネジメント業務に従事。2010年グラマシーエングージメントグループ株式会社設立。現在は、日本企業の人事のグローバル化をサポートするコンサルタントとして活躍中。

米国ニューヨーク州出身、米国Williams College卒業
2007年にSHRM、Senior Professional Human Resources (SPHR)資格取得、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所 招聘研究員

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