株式会社Works Human Intelligenceは2026年8月27日、障がい者雇用に関する実務運用調査の結果を発表した。調査期間は2026年4月15日~5月29日で、同社の統合人事システムを利用する大手法人76法人の人事担当者80人から回答を得ている。調査結果から、法定雇用率の引き上げなどを背景に障がい者雇用の職域確保が課題となる一方、業務創出や現場理解に加え、本人の特性やスキルを踏まえた業務設計にも課題があることが明らかになった。
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約6割が障がい者雇用の「職域確保・拡大」に“難しさ”実感
法定雇用率が2024年4月に2.5%へ引き上げられ、2026年7月からは2.7%となるなど、近年は障がい者雇用を取り巻く環境が変化している。また、AIやRPAの普及によって、これまで障がい者雇用の中心となってきた定型業務のあり方も変わりつつあり、企業には雇用数の確保だけでなく、継続的に活躍できる職域をどのように設計するかが求められている。こうした中、障がい者雇用の実務では、どのような課題が生じているのだろうか。障がい者雇用における職域の確保・拡大について尋ねたところ、「非常に難しくなっている」、「やや難しくなっている」と回答した企業は合わせて約6割となった。法定雇用率の引き上げによって障がい者の雇用拡大が求められる一方、企業側では、雇用した人材が継続的に能力を発揮できる業務や職域を確保することに難しさを感じていることがうかがえる。

障がい者雇用の中心は「定型業務」。事務補助やデータ入力などが多数
障がいのある従業員が現在担っている業務のうち定型業務が占める割合を尋ねると、「6割以上」と回答した企業が85.2%を占めた。なお、具体的な業務としては「事務補助」、「データ入力」、「書類スキャン」などが多く挙げられ、オフィスにおける定型的なサポート業務が障がい者雇用の中心となっている実態が示されている。

AI・RPAによる障がい者雇用への影響、「現時点ではなし」が8割超
こうした中、AI・RPAの活用が障がい者雇用に与えている影響について尋ねたところ、8割超の企業が「影響はない」もしくは「あまり影響はない」と回答した。現時点では、AIやRPAの導入が障がい者雇用に直接的な影響を及ぼしている企業は限定的と言える。ただし、障がい者雇用の中心が定型業務であることを踏まえると、今後テクノロジーの導入が進むにつれて、担当業務の再設計が必要となる可能性がある。そのため、現在の業務への影響だけでなく、将来的な業務の変化を見据えて職域を検討することが重要になりそうだ。

職域確保の最大の課題は「業務創出」。本人の特性を踏まえた業務割り当ては約1割に
現在の障がい者雇用における課題を尋ねたところ、最も多かったのは「業務の創出(切り出し)」で61.3%、次いで「現場理解」が48.8%となった。
これらの結果から、障がい者雇用における職域確保が「企業側にどのような仕事があるか」という業務起点で進められる一方、「その人がどのような業務で力を発揮できるか」という人材起点での設計は、まだ十分に進んでいない可能性がうかがえる。法定雇用率への対応として職域を広げるだけでなく、本人の強みや特性、希望などを把握したうえで業務とのマッチングを図る仕組みが求められそうだ。

今後強化したいのは「現場業務」や「サポート業務」など既存領域
今後強化したい部門・職種については、「清掃・軽作業・物流などの現場業務」や「サポート業務(庶務・バックオフィスなど)」が上位となった。新たな職域を積極的に開拓するというよりも、まずは既存業務のなかで障がいのある従業員の活躍機会を広げようとする企業が多いことがうかがえる。
出典:障がい者雇用、約6割が「職域確保」に課題~今後は本人の強みや特性を生かす業務の設計が鍵に~|PR TIMES
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