日本語がわからない留学生との接し方

留在留期間が長く、日本語への理解度が高い留学生は、日本人と同じように接しても信頼関係を深めていくことができますが、来日して間もない留学生たちとは接し方に迷われる店長も少なくありません。

 彼らは、ひらがなやカタカナは読めても、会話の厳密な聞き取りや漢字の読み書きまではわからないことが多いのです。語学力が低いうちは、複雑な接客対応などはできないため、初めは清掃や在庫管理など、覚えれば一人で作業できる単純な業務を任せるとよいでしょう。

 スタッフ間のコミュニケーションを円滑に行うためには、職場の日本人スタッフと、留学生と話すときのコツを事前に共有しておくことが大切です。また、留学生受け入れにあたり、受け入れの準備をしておくこともオススメします。
第21回 留学生アルバイトとの上手なコミュニケーション術

留学生のアルバイトには「常識」からレクチャー

「言語の違い」と同様に、留学生たちがアルバイトの現場で困惑しがちなのが「文化の違い」です。海外の人から見れば、日本の職場には独特のルールや暗黙のマナーなども多いのです。

 そこで、私たちが留学生をアルバイト先の企業に紹介するときは、必ず以下のようなことを教えています。
第21回 留学生アルバイトとの上手なコミュニケーション術
上記は、日本人にとっては当たり前のことですが、留学生たちに伝えると驚かれます。つまり、留学生を雇用する場合は、日本では常識と思われることも、基礎からきちんと教えてあげる必要があるのです。

 日本人同士なら「見よう見まねで覚えてもらう」「言わなくても察してもらう」という方法もありますが、外国人留学生たちには通じません。きちんと言葉にして、一つずつ教えてあげてください。

留学生を上手に「叱る」「褒める」ためのコツ

第21回 留学生アルバイトとの上手なコミュニケーション術
お互いに言葉が通じない場合、「叱り方」「褒め方」にもちょっとした工夫が必要です。日本の若い世代は怒られ慣れていないので、ガミガミ叱るのはNGといわれますが、留学生に対しては逆なのです。

 叱るときはまず、顔や声、ジェスチャーで怒っていることを示してください。感情を抑えて淡々と注意しても、日本語が未熟な留学生は叱られていることがわかりません。態度で怒りを示しつつも、口調はゆっくり、ジェスチャーや筆談などを用いて、留学生が叱られた理由を理解できるようにするのがポイントです。

 また、外国人は日本人が思う以上にプライドや体面を重んじることがあるため、大勢の前で叱り飛ばしてしまうのは絶対NG。バックヤードなどで個別に叱り、指導するのがベストです。

 反対に、評価をするときはスタッフみんなの前で褒めてあげましょう。日頃の頑張りを認めて表彰することで、働くモチベーションを維持できます。また、生活費のためにアルバイトをしている留学生にとっては、勤務態度に応じた昇給の約束も、やる気を高めるのに最も効果的な手段の一つです。

過剰な手助けに要注意!

第21回 留学生アルバイトとの上手なコミュニケーション術
留学生スタッフを雇う店長は、留学生が日本人よりもずっと気を遣う存在なので、ついルール違反を見逃してしまったり、慣れない日本での生活だからと業務範囲を超えて過剰に世話を焼いてしまったりすることも少なくありません。

 しかし、こうしたことを繰り返すと、留学生たちは好意に甘えてワガママになり、同じ職場で働く日本人スタッフからも不満が噴出しかねません。常に見守りながらも、一定の距離感は保つようにしてください。

 留学生を雇ったことのない店舗や企業にとっては、試行錯誤の連続になります。まずは職場の受け入れ環境を整え、辞書を片手に話しかけてあげることから始めてみてくださいね。
提供:インテリジェンス「an report」
http://weban.jp/contents/an_report/
  • 1
  • 2

この記事にリアクションをお願いします!