法律違反の求人・募集原稿を貼り出してしまったら?

出稿する求人情報媒体に記事制作を委託すれば、媒体側が内容を厳しくチェックし、違法にあたるNG要素を省いてくれます。しかし、自分で原稿を作成する場合は、知らずにNG原稿を書いてしまうケースもあるでしょう。

 違法な求人・募集原稿をインターネット上や店頭などでうっかり掲載してしまうと、読んだ人から直接クレームが入るのみならず、行政に報告されることもあります。

 行政は、違法な広告を出した企業に対して、まずは改善命令を出すのが一般的。従わなければ、刑事罰や過料などが発生します。もしもクレームや改善命令を受けたら、すみやかに修正してください。

文章、写真、ロゴなどの著作権にも要注意!

第16回 アルバイト採用担当者必読 法律から見る求人・募集原稿の書き方入門
ここまでは“労働者を守る”法律を見てきましたが、求人・募集原稿を作る際には「著作権」などの“制作”にまつわる法律も知っておきたいものです。

 基本的に、文章、写真やイラスト、ロゴ画像など、すべての制作物はその作者に権利が発生します。「インターネット上でイメージにピッタリの画像を見つけたから」、あるいは「作りたい原稿に似た募集記事があったから」無断で使用したり転載したりするのは、当然アウトです。

 近年、こうした例が露見してネット上で炎上するケースが後を絶ちません。著作権のペナルティは厳しく、著作者から多額の賠償金を求められることもあるため、十分にご注意ください。

 もちろん、制作物の使用許可をもらったり著作権を譲り受けたりしている場合は、それを自由に使用できます。ブランド名や特定の商品名も、原稿内で使用する際は、権利を持っている企業や著作者に許諾を得ておきましょう。

 また、求人広告の制作を外注のカメラマンやライターなどに委託する時は、本来の著作権は外注先に発生します。そのため、制作物は著作権ごと「買い取る」のが一般的。著作権を譲ってもらう旨を記した契約も、あわせて交わしておきましょう。

求人・募集原稿が完成したらチェックすべきこと

求人・募集原稿が完成したら、掲載前にもう一度見直してみましょう。法律で定められた基本的なNG項目を下記にまとめました。

求人・募集原稿の基本的なNGチェックリスト
□「25歳以下」など年齢を限定する表記はない?
□「男性歓迎」など、一方の性別の採用を示唆する表記はない?
□「ヒゲ・長髪不可」など、応募を制限する表記はない?
□「徒歩で通勤できる方」など、地域を限定する表記はない?
□「3年以上の実務経験」など、経験者に限定する表記はない?
□文章の盗用や画像の無断使用をしていない?
□ブランド名や商品名を勝手に使用していない?


 なお、これらは業務内容によっても適用される法律が異なります。なかには“適法な例外”として認められることもあるため、以下の資料もぜひ参考にしてみてください。

求人・募集原稿作成時の参考資料
「その募集・採用年齢にこだわっていませんか?」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/other16/dl/index03.pdf
「男女均等な採用選考ルール」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/danjokintou/dl/rule.pdf
「Q&A」(anレポート)
http://weban.jp/contents/an_report/qa/


提供:インテリジェンス「an report」
http://weban.jp/contents/an_report/

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