法政大学大学院政策創造研究科 准教授 石山 恒貴氏
東京エレクトロン 人材開発センター 主事 森下 晃治氏
サムトータル・システムズ 代表取締役社長 平野 正信氏
モデレーター:HRプロ 代表/HR総合調査研究所 所長 寺澤 康介

タレントを伸ばすには、採用、後継者計画など各施策を統合化する必要がある。

グローバルなラーニングマネジメント導入によるメリット

「ラーニングマネジメントからタレントエクスパンションへ」
初めに、6年前からラーニングマネジメントをグローバルに導入し、運用している東京エレクトロンの取り組みについて、森下氏がショートプレゼンを行った。半導体製造装置を主力製品とする同社では、業界標準として行われている安全教育のグローバルでの管理や、製品知識教育などのeラーニングコンテンツをグローバルに配信する必要があったこと、また、各国のグループ会社の教育担当者から各エリアでもローカルな教育を行い、管理したいという要請があったことなどが導入の大きな背景だった。森下氏によれば、当時は同社の求める多言語対応のものがほかに見当たらなかったことが、サムトータル・システムズのラーニングマネジメントシステムを選定した決め手。導入後は、ひとつのeラーニングコンテンツでありながら日本語、英語、韓国語、中国語(繁体字・簡体字)の5言語から選んで、全世界の人が受講できるものが確立され、グローバルな受講状況も簡単に管理できるようになっている。ほかにも、教育面のサポートに役立てるため、各国のフィールドエンジニアのスキル状況がわかるコンテンツを配信して比較するなど、さまざまな導入メリットがあるという。

 ラーニングマネジメントから一歩進めた展開として、いま、同社が検討しているのがタレントマネジメントの導入だ。課題となっているのは、人材の見える化に始まり、後継者計画、コンピテンシーマネジメント、人材検索、人事評価など。「教育部門が導入に向けて動き出したところ、人事部もやりたいと考えていたとのことだったので、ここ1年ほどかけて一緒にディスカッションしているところだ」と森下氏は話す。

「システムありきでタレントマネジメントを導入した企業では、初年度は協力してもらってデータを入れてもらっても、継続できず終わってしまうことがよくあると聞く。そうならないよう慎重に考えたい。ポイントは、当社グループとして何がやりたいのか、課題は何かを明確にすることだと思う」。

海外企業はタレントマネジメントをこのように統合してい...

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