HR総研が発行する年次報告書「HR総研 人事白書2015」より、人材育成について一部データを引用してレポートする。人材育成に関する調査結果 第2回は「階層別研修」について。

 「階層別研修」の実施を調査したところ、全体で83%の企業が「実施している」と回答しており「階層別研修」は日本の企業において教育体系の主軸であると言える。
しかしながら、企業規模によりその傾向は異なり、大企業では98%とほとんどの企業で階層別研修を実施しているが、中堅企業では93%、中小企業では66%と、3社に2社の割合にとどまっている。

 実施をしている階層別研修を聞いたところ、最多回答は「新入社員研修」(91%)、次に「新入社員フォロー研修」(68%)、「内定者フォロー研修」(58%)と続く。新人教育に重点が置かれており、職位が上がるほど、階層別研修の実施割合は少なくなることがわかる。

一方で、「今後強化する階層別研修」については、半数(50%)の企業が「中堅社員研修」と回答。「管理職手前研修」も34%あり、管理職になってからではなく、管理職になる前からの教育を重視する傾向がみられた。

※企業規模別、メーカー/非メーカー別の傾向等、詳細はログインの上、ご確認ください※

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■企業規模によって異なる「階層別研修」の実施状況

階層別研修の実施有無を調査したところ、全体で83%の企業が「実施している」と回答しているが、企業規模によりその傾向は異なる。大企業では98%とほとんどの企業で実施しているが、中堅企業では93%、中小企業では66%と、3社に2社の割合にとどまっている。


〔図表1〕階層別研修の実施有無(企業規模別)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【2】

なお、メーカー/非メーカーを比較すると、メーカーでの実施は87%、非メーカーでの実施は81%と6ポイントの差異があった。


〔図表2〕階層別研修の実施有無(メーカー/非メーカー)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【2】

■新人育成を重視した教育体系

階層別研修として実施している研修を聞いたところ、最多回答は「新入社員研修」(91%)、次に「新入社員フォロー研修」(68%)、「内定者フォロー研修」(58%)と続く。新入社員関連以外では「新任管理職研修」が56%で最多となった。職位が上がるほど、階層別研修の実施割合は少なくなり、新人教育に重点が置かれていることがわかる。


〔図表3〕実施研修(全体)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【2】

実施している研修について、企業規模別の上位は下記の通りである。

・大手企業(1000名以上)
1位「新入社員研修」100%、2位「新入社員フォロー研修」83%、3位「新任管理職研修」80%
・中堅企業(301名~1000名)
1位「新入社員研修」95%、2位「新入社員フォロー研修」76%、3位「内定者研修」67%
・中小企業(300名以下)
1位「新入社員研修」81%、2位「新入社員フォロー研修」53%、3位「内定者研修」47%

大手では80%の企業で実施されている「新任管理職研修」だが、中堅企業では52%、中小企業では42%の実施率であり、その差異は大きい。
また、中堅・中小企業にて上位を占める研修は同様であり、「新入社員」の育成関連の研修となったが、実施している比率は大きく差異があることがわかる。


〔図表4〕実施研修(企業規模別)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【2】

メーカー/非メーカーの比較においては、「内定者研修」の実施状況には13ポイントの差異があるものの(メーカー:49%、非メーカー:62%)、その他階層別研修の実施状況に大きな差異はない。

■今後強化すべきは「中堅社員研修」

また、今後どの階層への研修を強化する予定であるかを調査したところ、全体で半数(50%)の企業が「中堅社員」と回答している。すべての企業規模において最多回答は「中堅社員」である。
なお、「管理職手前研修」も全体で34%の回答があり、管理職になってからではなく、管理職になる前からの教育を重視する方針であることがわかる。


〔図表5〕育成(研修)を強化する予定の階層(全体)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【2】

〔図表6〕育成(研修)を強化する予定の階層(全体)

「HR総研 人事白書2015」人材育成に関する調査結果【2】

「中堅社員」の育成を強化したい理由を聞いたところ、下記のようなコメントが寄せられている。

・早期離職の防止/モチベーションUP
・若手から中堅へと育っていく過程でのインプット量が少ない
・マネジメント人材及び次世代経営層の育成
・若い世代全体にマネジメントの基礎を中核層に対し経営感覚を学ばせたい
・能力を持った人材の早期選抜・強化
・会社の活性化には、現在の中間管理職がカギであり、また、次期リーダー育成を早めるには、中堅社員を選抜型研修で鍛える必要があるため
・会社の雰囲気活性化のために、最もレバレッジの効く階層だと考えているから
・次世代幹部社員もこの層に一番詰まっているから

変化が激しい状況下においては、マネジメントも複雑化しており、次世代リーダー候補の早期選抜・育成に向けても、中堅社員の人材育成がカギとなっていることが伺える。

【調査概要】

調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査対象:上場および未上場企業人事責任者・担当者
調査方法:webアンケート
調査期間:2015年1月14日~1月27日
有効回答:149社(1001名以上:42社、301~1000名:44社、300名以下:63社)

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