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ストレスと積極的に付き合っていこう

HRプロ編集部
2017/12/27

職場でのストレスチェックが義務化されるようになり、にわかに「ストレス」という言葉を聞く機会が多くなってきた。臨床心理士として、働く人のカウンセリングをしていても、多くの人が仕事でのストレスを抱えながら働いているということを実感する。かくいう筆者も常にストレスを抱えながら仕事をしているし、人が職場において、さらに大きく言ってしまうと人生において、ストレスをまったく受けないということは不可能に近い。そこで今回は、ストレスの分類に加え、そのコントロール法などをご紹介する。

そもそもストレスとは

ストレスはもともと「ゆがみ」や「ひずみ」を意味する物理学用語で、外部からの何らかの刺激により引き起こされる「ゆがみ」や「ひずみ」が元に戻ろうとエネルギーを働かせている状態のことを言う。つまり、周囲に起こった出来事に対して、私たちの心身が、その状態に適応しようとしてエネルギーを発生させることをストレスというのである。

ストレス学説の生みの親とも言われるハンス・セリエ(Hans Selye)博士も、「ストレスは人生のスパイスである」と言っているように、適度なストレスは人生に変化を持たせ、活力を生み出してくれる調味料のようなものである。

ストレスと聞くと、いかにも悪者で、ストレスなどないほうがいいに決まっている、と思っている人も多いかもしれない。しかし、ストレスは避けられないもので、それ自体が本来私たちに備わった生体反応とするならば、「害である」とするよりも、「どううまく付き合っていくか」が重要になってくるのではないだろうか。

いいストレスと悪いストレス

実は、ストレスには「いいストレス」と「悪いストレス」がある。いいストレスとは、ずばり「適度なストレス」、悪いストレスとは、「過度なストレス」だ。人が生活の中で日々向上していくためには、ある程度のストレスを受けて、それを自分自身で克服していく必要がある。

例えば、何かをやり遂げようという目標をもっていた時、新しいことへの挑戦は必ずストレスを伴うものだ。また、仕事における「やりがい」「達成感」なども、適度なストレスがあってこそ感じられるものだ。ストレスが一切ないと頭も鈍ってしまうし、体の機能も哀えてしまう。 定年を迎えて社会的ストレスから開放されると、急に老け込む人が多いのは、よく聞く話だ。これらは、いいストレスの効果であるが、一方で、そのストレスが自分の力ではコントロール不能なレベルだったり、辛い状況が慢性化していたりする場合は、悪いストレスになりえてしまうので注意すべきである。

また同等のストレスであっても、捉え方とコントロールの仕方で、その人にとって「いいストレス」となることも「悪いストレス」となることもあるのだ。

ストレスをコントロールするために

ストレスと積極的に付き合っていくには、ストレスを意識的にコントロールできるようになることが不可欠だ。そのためには、次の4つのポイントが重要である。

1.ストレスを理解する
ストレスの構造や「いいストレス」「悪いストレス」の違いなどを理解しておくことで、自分に起きている変化を冷静に捉えることができるようになる。

2.自分のストレスレベルを把握する
自分がいま置かれている状態、余裕の有無を客観的に把握する。

3.自分のストレスサインを把握する
ストレスサインとは、ストレスが過剰になったときに心や体、行動に現れる変化のこと。人によって、現れ方も種類もさまざまである。自分のストレスサインを把握しておくことで、その頻度や程度によって、ストレスレベルを把握することができる。

<ストレスサインの例>
・口答えや批判が多くなる
・ささいなことに腹をたてる
・遅刻や欠勤が増える
・トイレや休憩の回数が増える
・コーヒー、タバコ、間食の量が増える
・身だしなみが乱れる、気にならなくなる
・よく眠れない など

4.自分がストレスを受けやすいストレッサー(ストレスが高くなる要因)を知る
ストレッサーとは、ストレスを高める要因となるもの。自分にとって何がストレスを引き上げる要因となるのかを知っておくことで、そのストレスに事前に対応したり、過剰なストレス状態を予防したりすることができる。

<仕事におけるストレッサーの例>
量的ストレッサー:業務量過多、時間的切迫
質的ストレッサー:役割不明瞭、裁量権不足
物理的ストレッサー:職場環境(照明、温度、騒音、換気 など)
精神的ストレッサー:人間関係、セクハラ、パワハラ、ライフイベント など

1〜4のポイントをおさえて、過度なストレス状態に陥らないようにすること、また、あらかじめ自分にとって効果的なストレス解消法のレパートリーを持っておいて、ストレスが高まってきたと感じた場合にそれを適切に実施することが大事だ。そうしてストレスと積極的に付き合えば、逆に、仕事のパフォーマンスを高めることができるようになるのである。
Office CPSR 臨床心理士・社会保険労務士事務所 代 表
一般社団法人 ウエルフルジャパン 理 事
産業能率大学兼任講師
植田 健太

プロフィール

HRプロ編集部

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