先日10月8日、今年のノーベル文学賞の発表があり、ベラルーシの作家が受賞した。
日本の人気作家である村上春樹さんも有力候補に挙げられていたが、残念ながら受賞を逃し、ハルキストと呼ばれる村上さんのファンが残念がる様子がTV等で報道されていたのは記憶に新しいところである。
文豪に学べ! ビジネス・人生のヒント集

文学小説に潜む、ビジネスのヒント7つ!

ところで、私もハルキストには遠く及ばないが村上作品はほぼ全て読んでいる、自称読書家である。古典文学から現代文学、国内文学から海外文学まで幅広く愛読しているが、私には読書をする際、ある流儀がある。それは気に入った文章を発見したときにそれを書き留めるノートを傍らに置いて読書をするというもので、最近そのノートが丸2冊分に達した。

 このコラムを読んでおられる皆様であれば、きっと勉強のためビジネス書などはよくお読みであると思うが、文学小説もなかなか実践的な知恵の多く詰まった情報の宝庫である。
以下、私の秘蔵のノートの中からとっておきの7つのセンテンスを紹介してみたい。

『良いニュースというのは、多くの場合小さな声で語られるのです。』
(村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」)

…まずは前述の村上作品から。現代社会は情報で溢れていて、とりわけ威勢のいい言葉や強気な言葉に惹き付けられがちだ。しかし、耳を澄まして小さな声のニュースにもしっかりとアンテナを張りたい。そこに本当に有益な情報があるかもしれない。

『たぶん、この世の中の者が、みんなたがいに人を怖がっているんだろう。』
(スタインベック「ハツカネズミと人間」)

…人間関係は難しい。退職理由に常に上位にランクされるのも人間関係だ。良好なコミュニケーションを取るために行動を起こすには勇気が要る。しかし、皆が不安を感じているのだと思えば、一歩目を踏み出せる力になるだろう。

『時計を壊すのは子供にもできるが、時計を造るのは専門的な技術がいる。』
(安部公房「第四間氷期」)

…長く続けてきた仕事、ずっと勤めてきた会社をやめてしまうことは容易いが、長年積み重ねてきたキャリアを投げ出す前に、この言葉と共に少し考えてはどうだろうか。

『幸いなことに、顔で判断して間違うことは滅多にないからね。』
(フォンターネ「罪なき罪」)

…人間見た目じゃない、中身だ!とはその通りだと思うが、現実問題として見た目はかなり相手の印象に影響する。暗い表情より明るい笑顔、汚い服装より清潔でパリッとした服装の方が良いに決まっている。普段から、相手に見える部分にも気を付けたい。

『おむすびがどうしておいしいのだか知っていますか。あれはね、人間の指で握りしめて作るからですよ。』
(太宰治「斜陽」)

…“手作り”という言葉には不思議と価値を感じさせる何かがある。仕事において効率化は重要であるが、“手抜き”になってしまわないように注意したいものである。

『大将は先を駆けぬもの。逃げぬもの。』
(司馬遼太郎「夏草の賦」)

…人の上に立つ者としての心構えの要諦であろう。ドラマ「半沢直樹」の上司のようになってはいないだろうか。

『人生は棒にふれ。しかし一日はもっと大切にすべきだ。』
(北杜夫「どくとるマンボウ青春記」)

…ノートのメモの中で最も好きな言葉の一つである。一度きりの人生、失敗を恐れず果敢にチャレンジをしたい。しかしそのためには一日一日、目的を持ってしっかり過ごすべきだろう。人生を棒に振っても愚かではないが、一日を棒に振ることは愚かなのである。


 いかかだろうか。一つでも気づきの言葉があったら幸いである。

 世界中で読まれている本や昔から読み継がれている文章、そこには人間一人の一生では決して到達することのできない本物の道理、一定の真理があると言えるだろう。

読書の秋である、ひとまず仕事のことは置いておいて、何か一冊、文学作品を手に取ってみてはいかがだろうか。目から鱗の言葉との出会いや素敵な体験が待っているかもしれない。

出岡社会保険労務士事務所 出岡 健太郎

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