HRプロの人事トレンドニュースでは先週、「キリンHDの『生理休暇制度』の名称変更・適用範囲拡大」や「人事評価の実態調査」、「“ゆるい職場”に関する20代の本音」、「世代による職業観・結婚観の意識調査」、「ミドル世代の異業種転職に関する調査」といったニュースをお伝えしてきました。11月6日(月)~10日(金)のHR関連ニュースを以下でご覧ください。
【先週のHRニュースまとめ】キリンHDが「生理休暇制度」の名称変更・適用範囲拡大を発表 ほか|11月6日~10日

キリンHD、「生理休暇制度」を拡充し女性の健康課題へ配慮した環境整備へ

キリンホールディングス株式会社は、「生理休暇」の適用範囲、および取得事由を拡大する制度変更を2023年11月1日に行った。従来の名称である「生理休暇」に対し、従業員が利用申請する際に「心理的な障壁」を感じていると考え、女性を表す“Female”の頭文字“F”を用いた「エフ休暇」に変更した。また、同グループではこれまで、失効した年次有給休暇を上限日数まで積み立てて、一定の利用条件のもと取得できる休暇制度である「積立休暇」を実施していた。今回、同休暇の取得事由に「エフ休暇」を追加し、生理日に限定した「エフ休暇」の適用範囲を、月経前症候群(PMS)など整理に関する体調不良にも拡大した。

これにより、従業員が制度を利用しやすい環境を整備するだけでなく、女性の健康課題解決への貢献を目指すとともに、多様な人材が最大限の能力を発揮できる環境も整えていく考えだ。

【人事評価の実態調査】7割超が評価に不満と回答。モチベーションの低下を実感か

【先週のHRニュースまとめ】キリンHDが「生理休暇制度」の名称変更・適用範囲拡大を発表 ほか|11月6日~10日
株式会社ライボは、「2023年人事評価の実態調査」の結果を発表し、全国の20~50代の男女758名から回答を得た。はじめに「会社からの評価に対する不満の有無」を尋ねると、「感じている」との回答は7割を超えたという。

また、「評価によりモチベーションが下がった経験の有無」を尋ねたところ、「経験がある」とした人は78.2%と8割に迫った。モチベーションが下がった原因として、「成果と報酬が見合っていなかったから」、「評価の基準が不透明だったから」、「上司が自分を見てくれていないと思ったから」などが上位を占めた。

さらに、「評価により転職を考えた経験の有無」を尋ねると、7割以上が「経験がある」と回答した。そのうち、実際に転職した人は半数に迫り、評価によるモチベーションの低下や転職への具体的なアクションにつながったとする人も多数いることが判明した。

“ゆるブラック企業”に対する20代のリアルな本音とは。「ルーティン業務」は不満?

【先週のHRニュースまとめ】キリンHDが「生理休暇制度」の名称変更・適用範囲拡大を発表 ほか|11月6日~10日
株式会社学情は、20代の社会人を対象に「ゆるい職場」に関する調査結果を発表した。20代の社会人297名は、「自身の職場が『ゆるい』と感じることはあるか」と尋ねたところ、「ある」との回答は4割に迫った。自由回答には、「ルーティン業務ばかりで、なかなか成長できないと感じる」、「数字へのコミットが重視されておらず、成果を上げても上げなくても評価が変わらない」などの声があがったという。

また、同社が「ゆるいと感じる点」を尋ねると、「上司からの指導がない」、「雑用が多い」、「責任ある仕事を任されない」などが上位を占めた。20代社会人は、上司との関わりや業務内容に関して「ゆるさ」を感じていることが明らかとなった。

世代による職業観や結婚観とは?「Z世代・ミレニアル世代・X世代以上」に分けて分析

【先週のHRニュースまとめ】キリンHDが「生理休暇制度」の名称変更・適用範囲拡大を発表 ほか|11月6日~10日
株式会社電通は、「仕事・結婚・子育てに関する意識調査2023」の結果を発表した。本調査はZ世代、ミレニアル世代、X世代以上の3世代に分け、15~64歳の2,000名から回答を得た。まずは、「結婚すること・子どもをもつことは個人の自由か」を尋ねたところ、肯定的な回答はいずれも7割程度となった。中でも、「そう思う」とした回答の割合は「ミレニアル世代」が多く、最も少ない「X世代以上」とは大きく差が見られた。

また、「転職は自分の人生をよくするための手段であるか」を尋ねたところ、転職に肯定を示す回答は、全体で48.2%、「Z世代」で54.6%、「ミレニアル世代」で52.8%、「X世代」で43.4%となり、若い世代ほど転職に肯定的であることが明らかとなった。同様に、「当面の生計がたてられれば、非正規雇用でもよいか」、「産休・育休制度が整備された職場を望むか」の設問でも、若い世代のほうが肯定的であることがわかった。

【ミドル世代の異業種転職】「異業種×同職種」を望む声が多数

【先週のHRニュースまとめ】キリンHDが「生理休暇制度」の名称変更・適用範囲拡大を発表 ほか|11月6日~10日
エン・ジャパン株式会社は、「異業種転職」に関する調査結果を発表した。ミドル世代(35歳以上)1,532名に「転職において興味がある組み合わせ」を尋ねると、「異業種の同職種」が6割を超え最多となった。年代別に見ると、30代は「異業種の異職種」、50代は「同業種の同職種」が多かった。また、興味を示す業種は、30代が「IT・インターネット・ゲーム」、40代・50代は「メーカー」と、年代によってもやや異なる傾向にあるようだ。

あわせて、「異業種転職に興味がある理由」を尋ねると、「成長業界・給与相場の高い業界で働きたい」、「キャリアの幅を広げたい」、「新たな専門性やスキルを身につけたい」が上位を占めた。一方で、「異業種転職における懸念点」を尋ねたところ、「選考が通るか」が6割を超え、以下、「これまでの経験・スキルを活かせるか」、「年収が下がらないか」が続いた。

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