株式会社ジンジブは2023年5月31日、2024年卒の「高校新卒採用」についての企業動向調査の結果を発表した。調査期間は2023年4月14日~20日で、企業の新卒採用担当者593名(うち高卒採用実施は297名)より回答を得ている。これにより、企業の2024年卒(以下、24卒)の高卒採用意欲や、前年度と比較した募集人数の増減などが明らかとなった。
24卒は“高卒採用”の需要高まり、約9割の企業が募集人数を「増加」または「維持」。高校新卒採用で若手人材の確保が狙いか

新卒採用者数は、大学・大学院卒に続いて「高校卒」が上位に

厚生労働省が取りまとめた「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」によると、2023年3月末時点での高校新卒の求人倍率は3.49倍と大卒よりも高く、計測を始めた1998年以来最高だったという。若年層の人材獲得が困難となる中で、24卒の高卒採用はこれまでと変化するのだろうか。

はじめにジンジブは、「どの学卒の採用を行っているか」を尋ねた。すると、「大学・大学院卒」が73.7%と最も多く、次いで、「高校卒」が50.1%となった。「短大・専門卒」(45.9%)や「既卒(大卒)」(40.6%)よりも「高校卒」の割合が上回ったことから、高卒採用の需要が高まっているとうかがえる。
どの学卒の採用を行っているか

高卒採用を実施する理由は「若手人材の層を厚くするため」が7割に

次に同社は、「高卒採用を実施している」とした回答者を対象に「実施する理由」を尋ねたところ、「若手人材の層を厚くするため」が70.4%と突出した。以降、「人材不足のため」が50.8%、「高卒採用が自社に合っているため」が29.3%と続いた。若手人材の獲得に向け、高卒採用を実施している企業が多いと推測できる。
高卒採用を実施する理由

24卒の高校新卒の採用計画は、約9割が「維持」または「増加」の予定

また、同社は「高卒採用を実施している」との回答者に対し、「24卒の高校新卒の採用計画にて、昨年と比較し求人募集人数の増減はあるか」を尋ねた。すると、「増やす」(31.6%)と「変動しない」(55.9%)、「新たに始める・再開する」(1%)の合計は88.5%と、求人募集人数を「維持」または「増加」、「新規開始・再開」する企業が9割に迫ることがわかった。この合計は、23卒を対象とした同アンケート(2022年4月調査)と比較すると、4.2ポイント増加したとのことだ。他方で、「減らす」は6.4%、「未定・分からない」は5.1%だった。
24卒の高校新卒の採用計画にて昨年と比較し求人募集人数は増減するか

高校新卒採用を増やす理由は「若手人材の採用に力を入れるため」が多数

続いて、「24卒の高校新卒の求人募集人数を昨年よりも増やす」とした回答者を対象に、「その理由」を尋ねた。その結果、「若手人材の採用に力を入れるため」(69.1%)、「業績向上における事業拡大のため」(53.6%)、「23年卒の採用で採用予定人数に対し充足しなかったため」(45.4%)が上位だった。
24卒の高校新卒の求人募集人数を昨年より増やす理由

直近数年の人事課題は「若手採用」や「定着」が上位に

さらに同社は、全体を対象に「ここ数年の会社の人事課題は何か」を尋ねた。すると、「若手の採用」(49.4%)と「定着」(46%)が上位を占め、採用や定着に課題を抱える人事担当者が多いことがわかった。
ここ数年の人事課題は何か

「入社後ミスマッチ」の経験は6割を超える。新入社員へのフォローアップ体制がカギか

最後に同社は、「入社後に高卒の新入社員とのミスマッチが起きていると思うか」を尋ねた。その結果、「よく起きている」(11.6%)と「まれに起きている」(53.6%)の合計は65.2%と、6割にのぼることが判明した。

また、「どのような取り組みがあれば入社後のミスマッチを減らせると思うか」を尋ねると、「社内でのコミュニケーション機会をつくる」や「研修・教育体制を整える」、「悩み相談を受ける仕組みを整える」が上位を占めたという。新入社員に対してフォローアップ体制を整えることで、入社後のミスマッチ防止につながると考える企業が多いようだ。
入社後に高卒の新入社員とのミスマッチが起きているか
若手人材の需要が高まっている中、本調査においては、24卒の高校新卒採用を「増やす」、「変動なし」、「新たに始める・再開する」とした企業は約9割におよんだ。一方で、高卒人材の入社後のミスマッチを経験した企業が6割にのぼることも明らかとなった。高卒採用を実施・検討している企業では、長期戦力を確保するために、社員の採用のみならず定着率向上を目指す施策が必要といえるだろう。

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