コロナ禍で「自己啓発」の意識はどう変化した? ビジネスパーソン1,000人に聞く

公益財団法人 日本生産性本部は2020年10月16日、新型コロナウイルス感染症が働く人におよぼす影響を調べる継続調査の第3回として、「働く人の意識調査」の結果を発表した。2020年5月の第1回から継続的に実施しているもので、今回は2020年10月5〜7日に、日本の企業・団体に所属する20歳以上の1,100名から回答を得た。これにより、働く人の意識変化と自己啓発に対する取組みに、コロナ禍がどのような影響を与えたのかが明らかになった。

特に20〜30代の若手世代が自己啓発に意欲的

新型コロナの流行と働き方の多様化を受けて、働く個々人が主体的なキャリア形成を行うことの重要性が増している。それでは、実際に働く人々の自己啓発意識はどのような変化しただろうか。はじめに、「自己啓発を行っているか」を尋ねたところ、「行っている」と回答した人は15.6%、「始めたいと思っている」は28.9%となった。合計4割以上にのぼるが、調査時点で実際に行動に移している人は一部という状況のようだ。
また、上記質問の回答を年代別に見てみると、自己啓発を「行っている」割合が高いのは「20代」、「30代」、「70代」であることがわかった。ただし70代は「特に取り組む意向は無い」という回答も73.6%と他の年代と比べ多く、両極端な回答結果となった。一方で、20代と30代は「行っていないが、始めたいと思う」が他の年代より多く、自己啓発に積極的な姿勢であることが見て取れる。

自己学習の目的は「仕事に必要な知識やスキルの獲得」や「キャリアアップ」と回答

さらに、自己啓発を「行っている」または「始めたいと思っている」とした回答者に、「自己啓発の目的」を尋ねた。その結果、最多は「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」(50.4%)、次いで「将来の仕事やキャリアアップに備えて」(49.2%)となり、いずれも約半数が回答した。以降、「資格取得のため」(28.4%)、「転職や独立のため」(21.8%)が続く。

コロナ禍の自己啓発は「オンラインツールの活用」が増加

また、自己啓発を「行っている」回答者にその方法を聞くと、最も多かったのは「書籍や雑誌等を読む」というオーソドックスな方法で、68%となった。2位は「Webなどのオンラインツールの活用」で39.5%となり、「社内外の勉強会、セミナーへの出席」の32%を上回った。このことは、「オンラインツールの進化」と、「コロナ禍で集合型や対面型の教育の機会が少なくなっていること」が背景にあると推察される。なお近年、社会人の「リカレント教育」として、大学等の高等教育機関の活用が期待されているが、「大学・大学院・専門学校等の教育機関で受講」した人は4.1%と、少数であった。

オンラインでの自己研鑽、効果の程は?

今回の調査では、Off-JTに関する設問で受講者の6割以上が「オンラインツールを活用した」ことが判明している。そこで、Off-JTあるいは自己啓発でオンラインツールを利用した回答者に、その効果を評価してもらった。その結果、「効果は高い」(16.8%)と「どちらかと言えば効果は高い」(46.3%)と、合計63.1%がオンラインツールの効果を実感していることがわかった。「効果は低い」(2.1%)や、「どちらかと言えば効果は低い」(10.5%)とする評価は約1割にとどまることからも、今後、教育の場においてオンラインツールの普及はさらに加速することが予想される。
自律的なキャリア形成の重要性が増すなか、オンラインツールを活用するなど、新しい方法での自己啓発に取り組むビジネスパーソンも増えているようだ。社員一人ひとりがそれぞれのキャリアを見つめる機会を、企業としても提供することが重要になりそうだ。