第2回 オリジン東秀社の事例にみる人事系システムの一元化による労務トラブルの回避施策の実現

クラウドコンピューティング時代の業務システムの未来

改めまして、鈴与シンワートの吉政でございます。今号では、本日報道発表したばかりのオリジン東秀社の事例をご紹介しつつ、人事給与システムと就業システムの一元化による導入効果についてご紹介いたします。ここでは、業務効率の向上などのメリットもご紹介しますが、システム統合による「リスクヘッジとコンプライアンスの強化」について解説します。人事給与システムと就業システムが連動していないお客様や、業務効率のさらなる向上を模索されている方は是非ご参考ください。
まず、確認を含めて一般的な背景からご説明いたします。人事系のシステムのみならず、業務系のシステムを業務ごとに個別に構築されてきたお客様が割と多いです。それは、お客様の事業拡大に合わせて、優先順位が高い業務から順次、手作業からシステム化をしてきたためです。事業が小さいときにいきなり全面的にシステム化を行えるお客様はほとんどいないと思っています。一方で少し前までは、業務ごとの各システムでバッチ処理をして、その結果を手作業で突き合わせたり、集計・分析することで十分対応ができていました。ただ、ここ近年に至っては、事業における判断と処理のスピードアップが求められるようになり、月次で行ってきた処理や分析もリアルタイムで行いたいというニーズが高まってきています。それは人事系のシステムでも同様です。例えば、その時点での社員の就業状況や契約状況などを瞬時に出力する必要があったり、社員やアルバイトの契約条件をもとに現場のマネジメントを行うなど、経営判断から現場の管理まで、様々なシーンにおいて必要な人事・就業データを即時的かつ多角的にアウトプットもしくは処理できることが必要になってきています。その実現のためには個別に存在している各人事系のシステムを統合もしくは連動させていく必要があります。


システムの統合や連動については様々な方法があります。全面的にリプレイスし、統合型の新システムを構築する場合や、基盤となるシステムを中核に、連携する他の人事系のシステムを単一のシステム基盤としてリプレイスする場合、そして、個別のシステムはそのまま残し、インターフェースで連携する場合など、そのケースは既存のシステムや新システムの要望に応じて様々な選択がされると思います。ただ、システムが違えば設計思想やデータ形式なども違ってくるので、より効果を出すためには、ビッグバン型で全面リプレイスするか順次展開するかは別にして、単一プラットフォームで統一していくのが効果を出しやすいように思えます。単純に分析するだけでしたらBIやDWHを後付で導入すれば済むのですが、現在、人事系システムにおいて求められているのは経営判断のための分析をリアルタイムで行うだけではなく、現場のマネジメントや作業効率の向上を支援できる統合型のシステムであるため、基盤となるソフトウェアプラットフォームを一つに絞り、タイミングに合わせて順次展開するのが良いと思います。これにより、この後ご紹介するような人事給与システムと就業システムの一元化によるメリットを最大限に引き出せると思います。これは租結合的な一元化では現実的に難しいと私は考えています。


さて、本題に入ります。今回ご紹介するオリジン東秀社の先駆的な事例にもありますが、人事給与システムと就業システムの一元化を行うことで、「業務効率の向上」や「現場の人事マネジメント力の向上」はもちろん、「リスク軽減とコンプライアンスを高める」こともできます。「業務効率の向上」についてはシステムが一元化されるため、「データの二重入力の回避」や「システム上でのチェック機能強化」、「不備書類撲滅」や「ヒューマンエラーの軽減」などの効果が見込まれます。「現場の人事マネジメント力の向上」については「労働時間のリアルタイム表示」や「契約状況に基づく労働時間と勤務計画との予実管理の強化」などが期待できます。今回のコラムでは3番目のメリットである「リスク軽減とコンプライアンスを高める」について掘り下げてみたいと思います。


人事給与システムと就業システムの一元化を行うことによって、雇用契約に基づいた勤務を計画、実施できるようになります。人事給与システムと就業システムが一体化されていない場合などに起こる状況としては、タイムレコーダーなどの打刻状況をもとに、1か月の勤務後の勤務集計時に雇用契約に即した内容かどうかわかることが多いです。この場合、労務トラブルになる可能性を残すことになり、好ましくありません。あえて言うまでもないですが、アルバイトなどの場合、雇用時の契約日数よりも少ない日数で働いた場合、民法では、「会社は契約履行の義務違反」になる可能性があり、もし被雇用者が支払いの請求を行えば、会社は「全額支払いの義務」を負うことになります。労基法では、会社側の都合で労働者が働けなかったと見なされる可能性があり、その場合、もし被雇用者が訴えを起こせば、会社は「休業補償の支払い義務」を負うことになります。ものすごくシンプルに説明をすれば、人事給与システムと就業システムの一元化を行うことによって、例えばシフトを組む場合なども、被雇用者の契約条件を見つつ、中長期的なシフトを組むことができるため、「労務トラブルなどのリスク軽減とコンプライアンスを高める」ことが可能になります。


今回、弊社はオリジン東秀社の先駆的な「人事給与システムと就業システムの一元化」事例のシステム構築行いました。その結果、お客様から「まず、雇用契約を店舗でリアルタイムに登録できるようになりました。そして、その契約内容を活用し店舗のシフト(勤務計画)へ展開しています。それによりシフトと打刻情報との連携ができ、勤務実績はもとより予実差異や契約との不一致などが容易にわかるようになりました。情報の分析が容易になったことで、幅広く活用できるようになり、スピーディーに対応ができるようになりました。また、人事部門におきましても、作業効率があがり、二重入力の削減も実現できました。」との言葉をいただきました。「人事給与システムと就業システムの一元化」について、弊社は様々なご提案ができます。もし、一元化ソリューションに興味がる方は弊社まで気軽にお申し付けください。
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著者プロフィール

鈴与シンワート株式会社 マーケティングアドバイザー 吉政忠志

SAP R/3の営業およびマーケティングや国産大手ERPメーカーの顧問経験を経て2010年に独立。現在、国内外の上場企業を中心にマーケティングアウトソーシングサービスを展開中。15年近くのマーケティング歴があり、講演回数は年間50回、執筆本数は年間10本以上、月間の連載コラムは常時10本以上持つアドバイザーです。

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