【賃上げ事例】初任給30万円・全社員一律6万円のベースアップを実施。オークハウスが示す、好業績を人材投資へ還元する人事戦略

株式会社オークハウスは2026年1月7日、同年1月より初任給を30万円へ引き上げるとともに、全従業員を対象に一律6万円のベースアップを実施する方針を明らかにした。同社における今回の給与改定は、2023年以降で3回目。段階的な賃上げを重ねることで、4年間のベースアップ累計額は10万円に達する見込みだという。好調な業績を背景に、同社は人材への投資を継続的に強化する姿勢だ。

HRプロ会員なら、会員限定の記事や『HR総研』調査報告/そのほか多数のコンテンツが無料で利用可能!
<<メールアドレスだけの無料会員登録をする>>

初任給30万円へ引き上げ、全社員一律6万円のベースアップを実施

人材獲得競争が激化する中、企業にとって賃金水準の見直しは喫緊の課題となっている。こうした状況を受けてオークハウスは、2026年1月から新卒社員の初任給を改定し、従来の24万円から30万円へ引き上げる。あわせて、既存の全従業員を対象に一律6万円のベースアップも行う。

同社によれば、今回の改定は単発の賃上げではなく、継続的な処遇改善の一環と位置づけられている。実際、2023年以降で3度目の給与改定となり、2023年から2026年までの4年間で実施されたベースアップの合計額は10万円に達するという。

物価上昇や労働市場の流動化が進む中、賃金水準の引き上げを継続して行っている点は、求職者だけでなく既存社員の定着を意識した施策といえる。


HRプロ会員なら、会員限定の記事や『HR総研』調査報告/そのほか多数のコンテンツが無料で利用可能!
<<メールアドレスだけの無料会員登録をする>>

自社一貫体制が支える、安定した収益基盤

同社は1992年の創業以来、ソーシャルレジデンスの運営に特化した事業を展開してきている。現在は関東・関西エリアを中心に、約250物件・5,000室を運営管理しているという。

ソーシャルレジデンスは、個室によるプライバシーを確保しつつ、共用キッチンやラウンジなどを通じて入居者同士の交流を促す賃貸住宅だ。大型物件では、コワーキングスペースやジム、音楽スタジオなどを備えるケースもあり、一般的な賃貸住宅とは異なる運営ノウハウが求められる。

オークハウスは、物件の企画・施工から集客、管理、販売までを自社で完結させる一貫体制を構築している。この体制により、迅速な意思決定やコスト最適化を実現するとともに、高い稼働率と安定した収益を確保してきた。こうした経営基盤が、継続的な賃上げを可能にしていると同社は説明している。

人材育成と海外展開を見据えた組織づくり

処遇改善と並行して、同社は人材育成にも注力している。中でも特徴的なのが、継続的に実施している海外研修制度だ。2025年には、アメリカやイギリス、フランス、オーストラリア、台湾など8ヵ国9都市で研修を行い、延べ20人が参加したという。

多国籍の入居者が利用するソーシャルレジデンスにおいて、異文化理解や国際感覚は重要な要素となる。同社は、研修で得た知見を日常業務に反映させることで、サービス品質の向上につなげているとしている。

さらに、世界的な金融拠点であるシンガポールに法人を設立し、海外投資家向けの不動産事業の拡大にも乗り出す。日本国内の不動産を海外へ発信する体制を強化することで、今後の成長を見据えた事業展開を進める考えだ。
オークハウスによる今回の発表は、業績成長を背景に、賃金引き上げと人材育成を両輪で進める姿勢を示すものといえる。単年度で完結しないベースアップを継続している点は、人材の定着や組織力強化を重視した人事戦略の表れだろう。人手不足が常態化する中での同社の取り組みは、企業がどのように人材へ投資し、その成果を事業成長へ結びつけていくのかという、賃上げ時代における一つのモデルケースとして注目されそうだ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000027970.html

HRプロ会員なら、会員限定の記事や『HR総研』調査報告/そのほか多数のコンテンツが無料で利用可能!
<<メールアドレスだけの無料会員登録をする>>