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ストレスチェックの受検率と次年度につなげるための方策とは?


2017/03/06

ストレスチェック制度が義務化されて1年が経った。きちんと初年度実施した企業にとっては、結果を見て次の一手に悩まれている時期ではないだろうか。ストレスチェックをすることにより、職場の状況やストレスの状況といった結果のほか、企業ごとの受験率のばらつきがある現状が見えてくる。その結果、多くの企業からよく聞かれるのが、「この受検率はどのくらいあればよいですか?」という質問だ。

初年度における受検率「成功ライン」の目安は?

 受検率とは言葉の通り、従業員に配布したストレスチェックのうち回収できた割合のことだ(回収したが未回答のものは除く)。
 ある機関の調査では、従業員のストレスチェック受検率の平均は88.4%で、従業員の9割以上が受検した企業は全体の約6割(59.6%)、受検率100%の企業も5%を上回っていた。企業規模別の受検率(平均)は、従業員数「51〜100 名」で91.6%、「101〜300 名」で88.7%となり、いずれも全社平均より高くなったという結果が出ている。当事務所の結果でも、おおむね平均は8割程度だった。
 このことから、まず初年度としては、平均受検率が8割を超えていれば、まずは成功であった(従業員からの信頼があった)と言えるだろう。

 ただし、今回の結果はあくまでも初年度の結果だ。大事なのは、今後きちんとストレスチェックの結果を活かすなどの対策をとり、この受検率を維持していくことである。

 初年度の結果に喜んで何もしないでいると、従業員側の期待は落胆にかわる、次年度は受検率が急降下という結果にもなりかねない。従業員は、会社の考えや方針を経営者の方が思っている以上によく見ている。単に法改正だからやるだけやった、という考えであれば、確実に見抜かれてしまうだろう。また、この会社は従業員に対して何もやってくれないんだ、自分たちなんていてもいなくても会社にとっては同じなんだ、とかえってマイナス意識に転じることさえあるのだ。

中途半端はかえって逆効果!着手すべき対策とは。

 本来、ストレスチェックは従業員を守る、安心して働ける職場を作る、生産性の高い職場を作る、という目的がある。ネガティブな事態を避けるため、会社としては何をすればよいのだろうか。
 当事務所では、費用のかからないものとかかるものの2種類の提案を常に行っているが、今回は、費用のかからない方策を2つ紹介しよう。

1.毎月1回厚生労働省のHPにあるストレスチェックを案内する
「こころの耳」
 このサイトで紹介されているストレスチェックは、実際にストレスチェックで実施しているものと同じ、職業性ストレス簡易調査票の57項目である。医師等によるストレスチェックに加えて、毎月自身のストレス度合いを客観的に把握することを促すことができる。そうすることで、会社として従業員の心の健康を大切にしているというメッセージが伝わり、実際に予防効果も高いと考えられる。従業員も自身の心の健康に関心が高くなり、結果、セルフケア効果も期待できる。

2.カウンセリング補助制度の設立
 実際に従業員の方がカウンセリングに行った場合、領収書を持参することで一定額を補助するという制度を設立するという手もある。社外相談窓口の設置となると、企業にとってはかなりの費用がかかるが、この制度であれば発生ベースで費用負担すればよいため、導入しやすい。
 実際に、自身の心のケアに関心を持ったとしても、カウンセリングに行くのはなかなかハードルが高いものだ。しかし、会社がこのような制度を用意してくれていると、カウンセリングに行きやすくなり、さらには会社が推奨しているものだからと、カウンセリングに対するイメージも良くなることが期待できるだろう。


 実際にストレスチェック制度導入のお手伝いをした企業を見て感じるのは、ストレスチェックだけ実施しても何も変わらない、また、中途半端な導入はかえって逆効果ともなりえるということだ。ストレスチェック導入をきっかけに、他の施策につなげることがとても大切なのである。
 是非とも今回紹介したどちらか、あるいは両方を導入して、働きやすい職場づくりに役立てていただきたい。



Office CPSR 臨床心理士・社会保険労務士事務所 代表
一般社団法人 ウエルフルジャパン 理事
産業能率大学兼任講師
植田 健太
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