依然として多い郵送エントリーシートタイプ

次に、エントリーシートの導入状況について見てみましょう。Webフォームによるエントリーシートか、紙のエントリーシート(郵送型)なのか、はたまたエントリーシートによる事前選考は行われているのかをまとめたのが[図表5]です。
 大企業では8割近くが導入しているエントリーシートですが、中堅企業では7割弱、中小企業では5割程度にとどまります。学生側からすれば、エントリーシートを提出しなくてよい会社だけで就職活動を行うことも十分可能な企業数です。
第39回 2015年新卒採用の現状
さて、データを見てみますと、Webエントリーシート型が増えてきたと言われるものの、まだまだ紙の郵送型エントリーシートのほうが多いようです。どんな字を書く学生なのかを確認することができること、白地スペースに自由に表現させる設問項目が可能なこと、顔写真を貼らせることができることなどが、紙のエントリーシートの主な利点です。顔写真については、Webフォーム型の企業でも画像ファイルをアップロードさせる仕様にしている企業もあるようですか、そこまでITリテラシーを学生に要求していいものかという論議もあるようです。
 全体で最も多いのは、「郵送エントリーシート+事前選考なし」のパターンで22%、あとは「郵送エントリーシート+選考あり」「Webエントリーシート+選考あり」「Webエントリーシート+選考なし」がほぼ同程度(13~14%)となっています。

エントリーシートによる絞り込みは「6~8割未満」が最多

エントリーシートによる書類選考を実施した企業に、結果的に通過(合格)したエントリーシートの割合を聞いたところ、全体では「60~80%未満」が31%で最多、次いで「80~100%未満」「40~60%未満」がともに24%で続きます[図表6]。中には、「10%未満」(2%)、「10~20%未満」(1%)という極めて厳しいハードルを設定している企業もあるようです。
第39回 2015年新卒採用の現状
1次面接を実施できる人数は、面接官の人数や会場、日程などの要因により必然的に上限が決まってきますから、エントリーシート数が多ければ、ここで一気に絞り込みをせざるを得ないということなのでしょう。前年のエントリーシートの合格率などの情報を企業側が開示するようにすれば、生半可な志望度の学生からのエントリーは自然に減らすことができるのではないでしょうか。落とす側にしても落とされる側にしても、無駄な労力をかけなくて済むやり方を模索していくべきだと考えます。

この記事にリアクションをお願いします!