先日、私が喫茶店で仕事をしていると、隣に上司と部下らしき2人組が座り
仕事の話を始めました。
一通り仕事の話が終わると、上司らしき人が「しかし、うちの会社もひどい会社だよな。
俺たちにこんな商品を売らせやがって、そう思うだろ?」と会社に対するグチを言い始めました。
部下も「本当ですよね、部長に何の戦略も無いのがいけないんですよ」と
それにのってグチを始め、その後20分くらいグチで盛り上がって帰っていきました。
一時のグチの言い合いは、ストレス発散のように感じます。
しかし、本当にストレス発散になりますでしょうか?
グチを言っている瞬間は、夢中になって話していますからなんとなく気分よく感じます。
しかし、グチを言ってしばらく経つとなんとなく後味が悪く、嫌な気持ちになる・・・。
空しいですね。


 同僚同士でグチを言うなとまでは言いません。
しかし、先ほどの2人のように、上司が部下の前で堂々と会社のグチを言うのは
絶対にやめたほうが良いでしょう。
なぜなら、上司が会社にグチを言っていれば、部下は「上司が言っているのだから、
やっぱりそうなんだ」と上司のグチの内容を完全に信じてしまいます。
その結果、最悪の場合会社に対して不信感を抱きます。
「上司がこんなに会社を批判しているのだから、ひどい会社なのだ。
今やっていることはおかしいのだ」と不満が鬱積します。

 
その結果、部下のパフォーマンスはどうなるでしょうか?


当然パフォーマンスは落ちます。
なぜなら、「こんな会社のために、一生懸命がんばるのは本当に腹立たしい」と
思いながら仕事をしているのですから。


メンバークラスの研修を担当すると、ものすごくグチっぽい人がいることがあります。
その人にさりげなくこう聞いています。「上司もそう言っているの?」と。
すると、多くのメンバーは「はい、課長も同じように感じているはずです」などと答えます。

残念ながら、上司の日頃の発言が、メンバーをネガティブな気持ちにさせていることも
多いのです。


なぜ、上司は部下の前でグチを言ってしまうのでしょうか?
それは、グチを言い合うと話が盛り上がり「部下と一体になっている」という
感覚を味わえるからです。コミュニケーションが図れているように感じるのです。
しかし、それは幻想です。一体になっているどころか、部下の気持ちを蝕んでいるのです。
また、自分より立場が下の部下に心が緩み、思わずグチってしまうという上司もいます。
グチを言っても、その場では部下は話を合わせてくれます。
しかし、上司がいないところで
「課長は、会社を批判している」
「グチばかり言って、嫌な上司だ」
と言われていることは間違いないと思ってください。


とにかく、部下の前で堂々とグチを言うことはご法度です。
このように言うと「それは、理想論でしょ?」と言ってくる人がいますが、
理想論ではありません。本当にご法度です。
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