メーカーと非メーカーで異なるプログラム内容

インターンシップの中で実施されているプログラム内容を比較してみると、企業規模による差よりも、メーカー・非メーカーによる差が大きくなっています[図表5]。メーカーで最も多いのは「社員の補助的な業務の体験」で57%に上るのに対して、非メーカーでは21%に過ぎません。一方、非メーカーで最も多いのは「課題を与えてのグループワーク」で実に67%に上るのに対して、メーカーでは17%に過ぎず、実施しているプログラムとしては最下位です。
第32回 インターンシップについて
次に、具体的な内容について見てみましょう。
・技術者を中心に受け入れているが、テストや分析等を体験し、ものづくりの楽しさ、厳しさを学んでもらっている(機械)
・技術系は施工管理職体験(10日間)、事務系は事務系職種の体験(5日間)(建築・土木・設計)
・実際の業務を経験してもらっている。社内の雰囲気や仕事の内容について理解を深めてもらった方が採用につながった場合に入社後のアンマッチが少なくて済むため(電機)
・開発技術系は、社内のメカ・制御・ソフト・販売技術をすべて浅く広く5日間と、専門分野で担当と3日間にわたり一緒に仕事をしてもらう(機械)
・1週間で完結できる程度の課題を与え、社員のアドバイスの下で、学生に取り組んでもらった(輸送機器・自動車)
・CADを用いての設計業務。工場においての加工や組立業務体験(鉄鋼・金属製品・非鉄金属)
・部品の製図から実際の加工、加工後の部品の検査、検査データの分析、品質管理までの一連の流れ、実作業(精密機器)
・都内店舗見学、新店舗立ち上げ業務の理解、新業態開発業務体験、先輩社員との交流(フードサービス)
・8日間のうち、6日間の講義・グループワークと2日間の現場経験(現場実習・営業同行)(旅行・ホテル)
・デイサービスでのレクリエーション実施、夏祭り参加(医療・福祉関連)
・社内の主要職場の仕事内容、実現できること、社員が実際にやってきたことなどを説明。商品(番組)の制作現場の見学・説明など(マスコミ関連)
・1日目:会社説明、管理部門業務の説明、2~5日目:営業同行研修(夕方は報告書作成とグループワークの取り組み)、6日目:午前中はグループワークのまとめ、午後は社員を前にグループワークの発表会(商社)
・営業社員との同行、提案書作成、システムへの入力業務等(情報処理・ソフトウェア)
・レジ補助、商品出し、清掃他(百貨店・ストア・専門店)
・音楽教室の認定講師対象に実施している研修会の見学と、生徒募集用折り込みチラシの作成体験(教育)

メーカーの場合、技術系の受け入れ割合が多く、専攻と関係している業務であればゼロから教える必要もなく、補助的な業務を任せられるということでしょう。
 広がりを見せることは間違いないインターンシップ採用。プログラム内容の検討、受け入れ態勢づくり、募集方法の検討等、今からできる準備を始めていく必要がありそうです。

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