半数以上が「入社前集合研修」を実施

さて、ここまでは採用担当者向けのアンケート調査の結果を基に見てきましたが、ここからは今年7月に実施した育成担当者向けの「新入社員教育(2013年春入社者)に関するアンケート調査」の結果から入社前教育(内定者研修)の実施状況を見てみましょう。
 [図表3]をご覧ください。何らかの入社前教育を実施した企業は67%で3社に2社の割合となっています。今年の新入社員から実施した企業が6%だったのに対して、逆に今年の新入社員から取りやめた企業はわずか2%でしたので、入社前教育を実施する企業は増加傾向にあると言えます。
第29回 内定者フォローについて
企業規模別では、大手企業や中堅企業は70%を超えているものの、中小企業では62%と実施率は少なくなっています。ただ、今年の新入社員から実施した企業の割合は8%と、中小企業での伸び率が最も高くなっています。導入が遅れていた中小企業でも、今後、入社前教育の必要性がますます高くなることが予想されます。


今度は[図表4]をご覧ください。入社前教育の実施方法を見ると、「集合研修」が最も多く、全体では55%に達します。次いで「課題・レポート提出」が48%、「通信教育」が31%、「職場見学・実習」が28%と続きます。企業規模別に比べて差が出るのは「eラーニング」で、大手企業では導入率が26%に達するのに対して、中小企業ではわずか6%にとどまり、4倍以上の開きがあります。内定者の多さや、内定者が全国に散らばっていることのほか、前述の内定者フォロー施策の項目でも見たように「内定者サイト・SNS」の導入率も影響しています。「内定者サイト・SNS」には、ビジネスマナー等のeラーニングメニューが搭載されていることが多く、また大手のeラーニングコンテンツプロバイダーと連携することで、内定者サイトからシームレスにサービスを受けられるようになっているのです。
第29回 内定者フォローについて

入社前教育は、業態や内定学生に合わせた工夫を

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