「新入社員は、最初は頭の悪い人と思われてもよいと考えた方が、いろいろな面で得だという設問の回答傾向は、次のようになっています。
そう思う   31.4%
わからない  19.8%
そう思わない 48.7%
「頭の悪い人」という表現がややいきすぎな感覚を持ちますが、ここでいう頭の悪い人とは、
・さっきまでしていたことを電話に出ると、忘れてしまう。
・一時間前に教わったばかりの作業ができない。
・偏差値○○以下。などということではありません。
この設問は、わからないことがあったり、知りたいことがあれば、ガンガン聞く、その姿勢を問う設問です。

つまり、
・すぐ知ったかぶりせず、知らないので教えてくださいとすぐ言える。
・人にものを聞く、たずねるのことが恥ずかしくもなんともない。
・わかるまで、何度でも質問する。
という、「お前、頭悪いやっちゃな・・」と言われつつも、仕事が少しずつ上達しているのが相手にもわかるので、ちゃんと教えてもらえる人なわけです。

この設問の解答傾向、「そう思う」は、29.0%から34.5%まで、この11年間、上昇、下降を繰り返しており、目立った傾向はありません。
ところが、「そう思わない」という回答傾向は、多少の上下動はあるのですが、2006年に42.4%を記録してから上昇傾向にあります。
ここにも、「失敗しこの設問の最大のポイントは、「新入社員(の時)は」という時期の限定です。

一年目は「学ぶ」、二年目で「試す」、三年目で「自分のものにする」というスリーステップで社会人としての基礎力は上がっていくものだと思います。
学ぶ課程では、とにかく聞くことが第一ではないでしょうか。
ところが、最初に質問できない、自ら学ぶことが苦手な新人が増えているというのが
実感情報です。

なぜ、質問しないのか?
「失敗したくない」とか、「馬鹿だと思われたらおしまい」という意識のもう一つ奥にある背景を考えないといけないと思います。

私は、彼らの置かれた立場、育った環境が大きいと思っています。
かつては、文系大卒であれば、総合職として就職することができました。
どの会社か、どんな業界かは個々人の志向で選んではいましたが、ほぼ、パイプラインを流れるように、ほとんどの人が職にありつけたのです。

1980年代くらいまでの大卒って、正直、あまり深く考えずに就職してしまった人がほとんどだったのではないかと思います。
が、今は、大学への進学率は平成元年で24.7%、24年度で50.8%にもなります。
(文部科学省学校基本調査より)
大卒の就職枠がそこまで増えたわけではないと思いますので、その分、就職率が落ちたり、高卒の枠に大卒がもぐりこんだりしてもおかしくないのです。

就職が厳しい環境にあることがわかっていると、自分に何ができるのか、技能や技術をつけたいと思い始めるのではないかと思います。
一時、ダブルスクールも流行しましたが、大学卒業というだけではなく、何らかの資格を求める志向も強くありました。

つまり、彼らは、「できる人」を装わねばならない、と考えるのです。
「何ができるのか」「どんな存在なのか」を問われ続けてきたのだと思います。
「○○ができる」というものを持たざるを得ない、そんな環境にいたのだと思います。
もちろん、ゆとり教育で「ほめて育てられた」ために、「できる」と誤解してしまったこともあるかとは思いますが。てはいけない」とか「自分はできる人」とか考えてしまう最近の若者の傾向がわずかながら現れていると思われます。

この設問の最大のポイントは、「新入社員(の時)は」という時期の限定です。
一年目は「学ぶ」、二年目で「試す」、三年目で「自分のものにする」というスリーステップで社会人としての基礎力は上がっていくものだと思います。
学ぶ課程では、とにかく聞くことが第一ではないでしょうか。
ところが、最初に質問できない、自ら学ぶことが苦手な新人が増えているというのが実感情報です。

なぜ、質問しないのか?
「失敗したくない」とか、「馬鹿だと思われたらおしまい」という意識のもう一つ奥にある背景を考えないといけないと思います。

私は、彼らの置かれた立場、育った環境が大きいと思っています。
かつては、文系大卒であれば、総合職として就職することができました。
どの会社か、どんな業界かは個々人の志向で選んではいましたが、ほぼ、パイプラインを流れるように、ほとんどの人が職にありつけたのです。
1980年代くらいまでの大卒って、正直、あまり深く考えずに就職してしまった人がほとんどだったのではないかと思います。
が、今は、大学への進学率は平成元年で24.7%、24年度で50.8%にもなります。
(文部科学省学校基本調査より)
大卒の就職枠がそこまで増えたわけではないと思いますので、その分、就職率が落ちたり、高卒の枠に大卒がもぐりこんだりしてもおかしくないのです。

就職が厳しい環境にあることがわかっていると、自分に何ができるのか、技能や技術をつけたいと思い始めるのではないかと思います。
一時、ダブルスクールも流行しましたが、大学卒業というだけではなく、何らかの資格を求める志向も強くありました。

つまり、彼らは、「できる人」を装わねばならない、と考えるのです。
「何ができるのか」「どんな存在なのか」を問われ続けてきたのだと思います。
「○○ができる」というものを持たざるを得ない、そんな環境にいたのだと思います。
もちろん、ゆとり教育で「ほめて育てられた」ために、「できる」と誤解してしまったこともあるかとは思いますが。

では、どう育成すればよいのでしょうか?
本当は、失敗やうまくいかないことからも学ぶことが必要なのですが、彼らは「それより、成功する法則を教えてください、そうすればちゃんとやります」「なんで、わざわざ遠回りしないといけないのですか?」という思考も持っています。
うまくやること求められ続けてきましたから、そうなっているのが当然でしょう。

また、下手に失敗させると、メンタル的にも落ち込んで戻せなくなる可能性もあります。
弊社では、広い意味で「指導員研修」がこのところ増えています。
指導員を育成しておくこと、それが今のところ一番確実な方法ではないかと思います。

指導員研修では、「自分が受けた指導方法ではないものもあること」「段階を追って指導スタイルを変えること」「原理原則から教えること」等をトレーニングします。
つまりは、指導員と新人との関係を密にして、聞きやすい状態を作り、失敗させることも含めて、実地でトレーニングを積ませるのです。
この環境整備が一番の鍵になると思います。
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