(2) 「コンシューマ化」への対応とゲーミフィケーション

◆「コンシューマ化」への対応
消費者向けのIT製品やサービスを企業ITに取り込む「コンシューマ化」の流れを人事システムや人事業務においても取り入れていく必要があります。
現在の一般消費者は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を常に利用し、FacebookやLINEといったSNSを通じたコミュニケーションがデジタルネイティブ世代を中心に主流になりつつあります。また、ネットショッピングにおいては過去の購買履歴やページ閲覧履歴をもとに各個人に対して「パーソナライズされた」コンテンツや体験が提供されています。
このように日常生活で当然となっているIT製品やサービス、それらによる体験が企業においても継続的に提供されているかどうかが、応募者のモチベーションや従業員のエンゲージメントにも関係します。たとえば、業務時間中のSNSの使用を禁止せず活用を認めることで、従業員が企業や事業のよいプロモーターとして機能したり、優秀な人材の応募を促進したり、といった好循環を生み出すことができます。
第4回 世界のHRテクノロジーの動向と日本の人事への適用可能性
◆ゲーミフィケーション
ニュージーランドの女性2人が立ち上げたベンチャー企業が提供するキャリア開発支援システム「fuel50」では、利用者である従業員の意欲をかき立てるためにゲームの手法を応用しています。具体的には、「ソリティア」のようなUIにより、従業員が楽しく自己のキャリアや強み、弱みといったキャリア開発に必要な情報を入力できるようになっています。業務時間中にソリティアに熱中して仕事をサボっている従業員を見て、「ソリティア風にすれば皆が熱中して取り組んでくれるかも!」と思いつき、製品化したそうです。
[fuel50のしくみ]
1.価値を感じるもの、仕事上の好み、自分のワークスタイルなどに関するエクササイズを従業員にカードゲームのように実施させる。これにより精度の高いデータベースが構築される。
2.データベースに基づき、自分に適切な業務や役職が提案され、同時にスキル・ギャップが表示される。
3.参考になるキャリアを有する同僚の情報が表示される。
第4回 世界のHRテクノロジーの動向と日本の人事への適用可能性
fuel50には独自のコンピテンシー体系がバンドルされていますが、IBM Kenexaのコンピテンシー体系「Talent Frameworks」といった外部データも取り込み可能です。

(3)アナリティクス(データ分析)の進化

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