研修の後の行動を定着させる仕組みを提供する中で、
よく聞こえてくる声があります。例えばこんな意見です。

「大したことではない行動なのだが、日々継続させることが難しい」
「なかなか時間を割くことができず、しり切れとんぼになってしまった」
「最初あった熱がどんどん冷めていくのがわかった」
すべて
・行動が続かない
という「継続性」の悩みです。

ではなぜ研修で立てたアクションプランの継続は難しいのでしょうか。

PDCFAメソッドで説明してきた目標の曖昧さ、計画の立て方の技術など個人の知識・スキルの問題もありますが、
今日取り上げたいテーマは

「上司の巻き込み」
です。

研修はどうしても、勉強の場・学習の場と捉えられ、非日常となってしまいがちです。

「研修で学んだことは勉強としてよかった。仲間と共有もできた。
でも現場は現場で状況が違うのだからできなくてもしょうがない」

と考えてしまうのです。階層別研修など、無理やり集められる研修があるのも事実ですので、受講生だけの問題にはできません。

そこで研修というものを
・勉強の場ではなく仕事の場とすることができないか。
ということです。

そこでは受講生の上司の巻き込みがポイントとなります。

研修を仕事と捉えさせることができるのは受講生の上司だけです。
仕事ということになれば、単なる勉強ではなく成果が求められます。
学んできたことを業務に活かしてパフォーマンスを発揮する責任が出てきます。

ではどのように上司を巻き込んだらいいでしょう。
今日はその一番簡単な方法を1つお伝えしましょう。
それは、
研修の前日に「研修への期待を伝えてもらう」ということです。

「明日から○○研修だな。○○を学ぶと人材育成部門から聞いている。
 ○○さんは今○○が課題だから、○○をしっかり学んで仕事に活かしてくれ」
といった具合です。

このような活動をしてもらうためには、研修のデザインや目的、期待される成果などを事前に理解してもらう必要があり、それに伴う説明活動があることは言うまでもありません。

上司に期待されて送り込まれた研修とそうでない研修の、研修後の行動変容率に3倍の開きがあったという実践データもあるようです。

どれだけ上司を巻き込み価値が高いか示しているということですね。

さあ!
『研修担当の皆さん! 上司を巻き込み、研修を仕事に転換しよう』
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~やりっぱなし研修撲滅宣言~
「研修」が変わる「行動」が変わる45の具体策

永谷研一著
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(書籍版)
『人材育成担当者のための絶対に行動定着させる技術』(Kindle版)

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