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飲みニケーションに頼っていないか?部下から相談を受けたときの対応方法

HRプロ編集部
2017/09/11

ある企業で管理職研修をしていた時に、このような事例についてどのように対応するか聞いてみた。
「部下に普段とは違う仕事上のミスが目立ち、ひどく元気がないようにみえる。あなたは上司としてどのように対応するか?」

1. そのうち慣れるだろうと考えこのまま様子をみる
2. こんなミスは君らしくないと鼓舞する
3. プレッシャーが強すぎたのだろうと考え、責任者を他の人と変わってもらう
4. 体調が心配と思い本人に声をかけ、就業時間中に話を聴く
5. 体調が心配だが終業時間中に話を聴くのははばかれるので、居酒屋で飲みながら話を聴く
昨今若い人たちが飲みに行きたがらないという報道とは逆に、多くの企業の管理職(特に50代)は5番を選択する人が多かった。しかしながら、「メンタルヘルス不全の場合、投薬治療を始めている場合がありアルコールと相性が悪い」「アルコールで感情が不安定になり、会話にならない」「結局上司が話を聴いてやったという一方的な満足で終わってしまうことが多い」等の理由で、飲みながらの面談はお勧めしない。

では、部下から相談を受けた時にどのように対応したらよいだろうか。
そもそも上司は、日常的に部下からの自発的な相談に対応するように努めなくてはならない。そのためには相談しやすい雰囲気作りが大切となる。また、長時間残業など明らかにリスクが高い部下に対しては、上司の側から積極的に声をかけることが必要だ。

部下から相談を受けた時の3つのステップとして、以下のようなものがある
1.話を聴く(傾聴)
2.適切な情報を提供する
3.必要に応じて専門機関への相談や受診を促す

特に今回は、1.話を聴く(傾聴)について解説する。
傾聴とは、相手の話を「受容」や「共感」をもって受け止めるという聴き方である。具体的には、まずは相手に関心を寄せ、聞き役に徹する。そのうえで、相手の考えや言葉を無条件に受け入れて理解し、相手を「受容」する。そして明らかに正しくなかったり、誤解をしていたりしても、決して否定や批判をせずに相手に「共感」する姿勢を示す。
安易な激励をせずに、親身になって聞くことで相手は安心する。「支持的」なつもりが、いつもの業務上のクセでうっかり「指示的」にならないよう注意が必要となる。業務上の会話と、相談を受けているときのモードは切り替えるという心づもりが大切だ。

いきなり支持的に傾聴すると言っても、なかなか管理職の方も普段の忙しい職責の中困難だ。

そのような時こそ、社外へ社員が利用できる専門家による相談窓口の設置をおすすめする。
社員がまず相談できる窓口があることで、メンタルヘルス問題の予防につながる。また、管理職自身も利用することができるので、管理職の方のセルフケアにも役立つ。

厚生労働省の調査によると、働く人の相談相手として、最初の相談相手はやはり身近な人である上司だ。一方で、職場で実際に相談した方に悩みを解決したかどうかを尋ねたところ、解消されたが33%、解消されなかったが67.1%(解消されなかったが、気が楽になった含む)という結果が出ている。
つまりメンタルヘルス対策で上司に求められているのは、専門的に問題を解決することではなく、まずは相談を聞きその後適切な専門家につなぐということだ。このポイントを忘れてしまうと、管理職はメンタルヘルスの専門家にならなくてはいけないのかと、余計なプレッシャーを感じてしまう。

会社としては管理職にメンタルヘルス対策への意識の啓発をするとともに、外部の専門機関の相談窓口を設置することが大切だ。


Office CPSR 臨床心理士・社会保険労務士事務所 代 表
一般社団法人 ウエルフルジャパン 理 事
産業能率大学兼任講師
植田 健太

プロフィール

HRプロ編集部

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