株式会社YKプランニングは2021年8月16日、「中小企業経営者の財務会計に関する意識調査」の結果を発表した。調査日は2021年6月22日で、年商規模3,000万円~3億円の中小企業経営者(法人事業者)1,023名から回答を得た。これにより、経営者自身の財務会計に対する理解度や課題などが明らかとなった。
中小企業経営者に聞く「財務会計」データの活用状況とは。約半数が自身の財務会計理解度を低評価

2割以上が財務会計を「専門家に一任」。理由は「申告漏れなどのリスク回避」や「人材不足」

「財務会計」は会社経営において重要な要素だが、各企業はその書類作成や管理をどの程度自社で行い、また内容を理解しているのだろうか。

まず、「会社を経営していくうえで、財務会計は重要だと思うか」という問いには、68.7%が「非常に重要」、23%が「やや重要」と回答した。

そのうえで、「会社の『試算表』や『決算書』をどのように作成しているか」を尋ねたところ、「ある程度自社で経理を行い、最終チェックを税理士や会計事務所に依頼している」が27.8%と最も多かった。続いて「一部は自社で経理を行い、大部分を税理士や会計事務所に依頼している」が26.2%、「自社では経理を行っていない(全て税理士や会計事務所に一任)」が25.8%となり、“試算表や決算書作成の一部または全てを専門家に依頼している”という企業は、合わせて79.8%で8割近くになった。

一方、「完全に自社で経理を行っており、申告業務のみ税理士や会計事務所に依頼している」は11.6%、「完全に自社で経理を行っており、税理士や会計事務所には依頼していない」は8.6%で合計20.2%となり、およそ2割にとどまることがわかった。
中小企業経営者に聞く「財務会計」データの活用状況とは。約半数が自身の財務会計理解度を低評価
続いて、「試算表や決算書作成の一部あるいは全てを税理士や会計事務所に依頼している」とした回答者に、「税理士や会計事務所に依頼する主な理由」を尋ねた。

すると「税金の申告漏れなどのリスクをなくすため」が61.9%で最も多く、以下「自社内に財務の知識に長けた人材が不足しているため」が25%、「節税のため」が7.1%などと続いた。申告漏れのリスク回避や、財務知識を持つ人材の不足から、専門家を頼る企業が多いことがうかがえる。
中小企業経営者に聞く「財務会計」データの活用状況とは。約半数が自身の財務会計理解度を低評価

約4割が“自身の財務会計への理解度”に「自信がない」と回答。「全く理解していない」も1割

次に、「経営者自身の財務会計に関する理解度」を尋ねた。すると「少しは理解しているが自信はない」が38.3%、「専門外なので全く理解していない」が10.1%となり、およそ半数の経営者は、自身の財務会計に対する知識が不足していると答えた。
中小企業経営者に聞く「財務会計」データの活用状況とは。約半数が自身の財務会計理解度を低評価

「財務諸表の活用」が不十分な企業が多数か

「財務会計に関する理解度が低い」と答えた経営者が多い中、実際に作成された自社の決算書(財務諸表)については、どの程度理解・把握しているのだろうか。

「会社の決算書(財務諸表)の内容を理解・把握しているか」を尋ねると、「損益計算書を理解・把握している」が70.1%に。以下、「貸借対照表を理解・把握している」が64.8%、「キャッシュフロー計算書を理解・把握している」が42.7%、「株主資本等変動計算書を理解・把握している」が32.8%と続いた。「損益計算書」と「貸借対照表」を理解・把握している経営者は比較的多いが、「キャッシュフロー計算書」や「株主資本等変動計算書」まで理解・把握しているケースは少ないことがわかる。

また、「いずれも理解・把握していない」との回答も13.8%あり、会社経営において財務会計の重要性は感じているものの、理解・把握ができていない経営者も少なからずいるようだ。

これをふまえて、「作成された決算書(財務諸表)を会社の経営(経営分析や経営計画など)に活かしているか」と尋ねたところ、「はい」が74.3%、「いいえ」が25.7%という結果に。4社に1社は、財務諸表を経営に十分活かせていないことが判明した。
中小企業経営者に聞く「財務会計」データの活用状況とは。約半数が自身の財務会計理解度を低評価

経営の相談相手は「税理士や会計事務所」が最多。「相談相手がいない」は約2割に

最後に、「経営の相談を誰にしているか」を尋ねた。すると「税理士や会計事務所」が57.8%で最も多く、以下、「特に相談する相手はいない」が20.2%、「経営者仲間」が11%、「経営コンサルタント」が6.6%、「金融機関」が4.4%と続いた。

多くの経営者が税理士や会計事務所に相談しているものの、「相談相手がいない」というケースも2割あることがわかった。会社の財務会計を理解する税理士や会計事務所を除くと、「経営に関する相談をできる相手がいない」という状況にある経営者は多いようだ。

中小企業経営者に聞く「財務会計」データの活用状況とは。約半数が自身の財務会計理解度を低評価
会社経営における財務会計書類の重要性は認識しているものの、活用できていないと感じている経営者は少なくない。また、経営に関する相談相手も限られているのが現状のようだ。財務会計の理解を深める第一歩として、自社データの可視化などに取り組んでみれば、次のアクションが見えてくるかもしれない。

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