株式会社リクルートマネジメントソリューションズは2020年6月、新入社員(20年卒)の仕事に対する意識調査の結果を発表した。このレポートは2つの調査をまとめたもので、調査1は「働く上で重視するスタンス、職場・上司・先輩に求めること」の意識調査(調査期間:3月2日〜5月14日/対象:新入社員向けのeラーニングの受講者1,680名)、調査2は「上司や職場への期待や不安」に関する補足調査(調査期間:3月24日〜4月2日/対象:新入社員導入研修の受講者350名)となっている。これらの調査結果から、コロナ禍で初めて社会人となった世代が、企業に求めていることが明らかになった。

「互いに助け合い成長していく職場」が理想

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、企業の在り方も大きく変わろうとしている。そのようななかで入社を迎えた2020年卒の新社会人たちは、働くことにどのような意識をもっているのだろうか。

最初に、「仕事をする上で重要視するもの」を選んでもらった(調査1)。その結果、「成長」が32.4%、「貢献」が30%となり、共に約3人に1人が重要視していることがわかる。これらに続いて、「やりがい」(18.6%)や、「仲間」(16.5%)などが上位にあがった。対して、「達成」、「創造」、「仕事以外」、「金銭」、「ビジョン」、「競争」といったキーワードは10%以下に留まった。
続いて、「どのような特徴を持つ職場で働きたいか」について聞いた(調査2)。最も多い回答が「お互いに助け合う」で68%。この項目は2018年の調査以降、毎年首位にランクインし、その回答比率は年々増加している。2位以下は「アットホーム」(50%)、「個性を尊重」(41.7%)の順で続いている。

先述の回答結果と総合すると、新入社員が求めている職場は、「鍛えあい、活気のある環境」よりも、「助け合う、アットホームな環境」のようだ。

働く上で大切にしたい行動(スタンス)の中で、苦手なのは「自発」と「試行」

次に、リクルートが考える「働く上で大切にしたい行動や姿勢(6つのスタンス)」について、それぞれのキーワードが「得意」/「不得意」/「今後意識的に取り組みたい」のうちどれに当てはまると感じているかを聞いた(調査1)。

「不得意」、「今後意識したい」のトップ2には、自ら動こうとする「自発」と、思い切ってやってみようとする「試行」が挙がった。自発は「あまり得意ではない」が26.1%/「今後意識的に取り組みたい」が23.7%、試行は「あまり得意ではない」が30.3%/「今後意識的に取り組みたい」が21.6%となっている。

その一方で、「自分の強み/得意」とする項目には、相手の期待を考えて応えようとする「相手基準」(24.3%)や、自分だけで抱えず周囲の力を借りる「協働」(20.5%)がランクインした。このことから、「相手の期待に応え、周囲との協力を大事にする」ことには抵抗がないが、「自ら働きかける」ことには苦手意識があり、今後の課題と捉えてる人が多いと言えるだろう。

新入社員が求めるフィードバック、「傾聴・丁寧な指導・認知」が不動の上位に

さらに、新入社員が上司や先輩に対して期待していることを聞いた(調査2)。「意見や考え方に耳を傾けること」が53.7%と最も多く、2018年以降、3年連続で首位となった。ここ数年の結果を見ると、毎年約半数が「傾聴」と回答し、年々その割合は上がっている。

次いで、「各個人への丁寧な指導」が46.9%で、こちらも3年続いて2位。一方で、「仕事への情熱」や「厳しい指導」、「リーダーシップ」、「仕事がバリバリできる」は年々回答率が低下している。上司や先輩に対しては、「牽引力」よりも「対話やコミュニケーション」を重視し、求めるようだ。

コロナ禍での新入社員は「職場内での人間関係」や「自己成長」を不安視する傾向

最後に、「仕事・職場生活をする上での不安」を聞いた(調査2)。昨年の結果と比べて回答率が上昇したものを取り上げると、「先輩・同僚とうまくやっていけるか」が7%アップ、「自分が成長できるか」が4.3%アップした。

コロナ禍の影響を大きく受けた新入社員としてのスタートとなり、上司や先輩に直接会えない、会えても「密」を避けるコミュニケーションやイレギュラーな対応が続く状況で、自身の成長に対する不安を感じている様子がうかがえる。
今回の調査結果から、2020年卒の新入社員は、「助け合いの関係」や「傾聴」、「自発性」「試行錯誤」を重要視していることが明らかになった。新型コロナウイルスの影響は、働く人全てに及び、企業は働き方や人との関わり方を再設計する必要に迫られている。そのような転換期に社会人となった若者の声に耳を傾け、今後の新しい育成方針のヒントとしてみてはいかがだろうか。