年金に携わる仕事をしているためか、同世代よりは自身の老後生活について考えていると思う。老後資金はいくら必要なのか、それをどのように準備するべきか、そもそも何歳から老後なのか、いずれも簡単には答えが出ない。今日はその辺について話してみようと思う。

 そもそも老後にいくらの生活費が必要だろうか。財団法人生命保険文化センターの調査*によると夫婦二人ゆとりある生活を送るには月々36.6万円必要とされている。( * 「平成22年生活保障に関する調査」 財団法人生命保険文化センター調査)

 これを自助努力ですべて用意する必要はなく、一部は国からの年金を当てにすることが出来る。平成22年度に厚生労働省が発表した数値によると、国の年金は夫婦二人で約23.3万円支給されることになる**。そのため前提条件等に違いがあるとしても、イメージとしてはゆとりある生活を送るには残りの13.3万円をどうにか調達する必要がある。 (** 平成22年度厚生労働省発表予測)

 ちなみに老後の開始年齢は人それぞれではあるが、今後の分析では公的年金の支給開始年齢である65歳を老後の開始年齢としている。

 ご存知の通り日本は世界ランキングで上位に入る長寿大国である。65歳時点での平均余命は男性で19年、女性で24年である***。つまり平均をとれば夫婦ふたりで65歳から約22年分の生活資金が必要になる。月々13.3万円の22年分。単純計算で約3千5百万円の一時金額となる。今の平均余命より長く生きるリスク(リスクと呼ぶと不謹慎だが…)を加味して少し高めの4千万円を必要資金として考えてみたいと思う。 (*** 2009年厚生労働省告示の厚生年金基金基準死亡率に基づく)

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