「労働基準法改正」の意識調査―関心層の約8割が法改正の進捗を誤認。“自社の問題意識”は認知度によって1.7倍の差に

株式会社チームスピリットは2026年2月17日、2027年以降の施行を目指して検討されている「労働基準法改正」に関する意識調査を実施した。調査期間は2026年1月26日~28日で、人事労務関連の法改正に関する方針決定や実務に関与している504人から回答を得ている。調査結果から、改正に関心を持つ層の法改正作業の進捗に関する認識や、自社への問題意識などが明らかになった。

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関心層の約8割が改正案の進捗を誤認

2027年以降の施行が想定される労働基準法改正は、企業の人事・労務体制に少なからぬ影響を与える可能性がある。制度改正への対応は「正確な情報把握」から始まるはずだが、認知と解釈のズレが組織内に広がれば、準備の遅れや現場との温度差を招きかねない。改正を“自分事”として捉えられているかどうかが、企業の対応力を左右する局面に差し掛かっている。

2026年1月末時点で、労働基準法の改正案は国会に提出されていない。しかし調査によると、法改正について「詳しく知っている」と回答した層の79.4%が、改正案を「審議中・成立済み」と認識していた。関心層ほど情報に接しているはずだが、メディア報道や議論の活発化によって「改正は既に決まった」という印象が先行している可能性がありそうだ。
法改正について詳しく知っているか

認知度が高いほど「自社の重大問題」と認識

法改正を「詳しく知っている」層では、63.5%が「自社にとって重大な問題」と回答。一方、「まったく知らない」層では9.9%にとどまった。情報把握の程度が、そのまま自社への影響をどの程度重視するかに結びついている結果となり、改正の影響を検討するうえで、初期段階での情報収集が重要であることがうかがえる。
認知度と自社への問題意識の相関

「規制緩和」と捉える層は問題意識が1.7倍

改正案の方向性について、「働き方の柔軟性を高める規制緩和」と捉える層では、53.1%が自社への重大な影響を認識していた。一方、「規制強化」と捉える層では31.1%にとどまった。解釈の違いによって問題意識に1.7倍の差が生じており、制度の受け止め方が企業の対応姿勢に影響を及ぼす可能性が示されている。
法改正イメージと当事者意識の関係

経営層と実務担当者で1.8倍の認知格差

法改正について「詳しく知っている」と回答した割合は、最終決定権者が41.2%、実務担当者は23.3%だった。経営層と現場の間で認知度に差が見られ、組織内での情報共有のあり方が課題として浮上している。制度改正への実務対応を円滑に進めるためには、部門横断での認識統一が求められそうだ。
最終決定権者と実務担当者の認知度比較

自由回答にみる情報不足への懸念

自由回答では、「改正内容の周知をより進めるべき」、「成立までのスケジュールが見えにくい」といった声が挙がっている。

また、改正を「柔軟化」と捉えるか「規制強化」と捉えるかで、期待や懸念の方向性が分かれていることも確認された。制度の具体像や背景の理解が、企業側の判断材料として一層重要になるとみられる。
自由回答分析
今回の調査では、労働基準法改正に対する関心の高まりとともに、進捗や内容に関する認識のばらつきが明らかになった。特に、認知度と自社への問題意識の相関、解釈の違いによる受け止め方の差、経営層と実務担当者の情報格差は、企業の制度対応に影響を与える可能性がある。施行に向けた準備を進めるうえでは、客観的な情報把握と組織内での共有体制の整備が重要になりそうだ。

出典:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000021273.html

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