厚生労働省が昨年実施した調査によると、企業で働く男性の育児休業取得率が40.5%となり、前年より10.4ポイント増加し過去最高を記録したという。男性の育児参加を後押しする制度改革や企業の取り組みが浸透しつつあることが、数字として現れた格好だ。
女性の育休取得率は86.6%、引き続き高水準を維持
一方、女性の育児休業取得率は86.6%となり、前年から2.5ポイント上昇。依然として高い水準を維持しており、出産後の育休取得が女性の働き方におけるスタンダードとなっていることがうかがえる。とはいえ、政府の目標と比較すると、男性の取得率はまだ伸びしろが大きい状況にある。特に、男女共に育児とキャリアを両立できる環境づくりの推進が求められている。
「産後パパ育休」などの制度改正が取得率上昇の後押しに
今回の取得率上昇の背景には、2022年の育児・介護休業法改正による制度整備が大きいとみられる。改正により、企業には配偶者の妊娠・出産を申し出た従業員に対して、育児休業の取得意向を確認することが義務化された。また、子どもの出生後8週間以内に最大4週間まで取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度も導入され、育児休業の柔軟な取得が可能になったことで、男性の取得への心理的・制度的ハードルが下がったと考えられる。
政府目標は「2025年に50%、2030年に85%」──実現には職場の理解促進が不可欠
政府は、2025年までに男性の育児休業取得率を50%、2030年には85%まで引き上げるという目標を掲げている。この目標達成には、制度の周知や整備だけでなく、職場全体の理解とサポート体制の強化、管理職の意識改革がカギとなる。たとえば、上司や同僚のサポート体制、復帰後のキャリア形成への不安解消といった側面も課題として挙げられる。
男性育休取得が一時的なブームに終わらず、文化として定着するためには、組織文化の変革と当事者意識を持った対応が求められる。男性が育児に関わることを“選択肢”ではなく“当然の選択”とする社会の実現に向けた、企業と行政の取り組みが問われている。
出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250730/k10014879501000.html


