人事評価に「不満あり」が7割超、“成果と報酬の不均衡”で賃金上がらず。モチベーション低下や転職につながる理由とは

株式会社ライボは2023年9月19日、「2023年人事評価の実態調査」の結果を発表した。調査期間は2023年8月30日~9月4日で、全国の20~50代の男女758名より回答を得ている。本調査により、自社の人事評価への満足度やモチベーションへの影響、評価による転職意向、評価への期待度などが明らかとなった。

評価方法は「MBO(目標管理制度)」での実施が最多に

企業において人事評価を「年功序列」から「成果主義」へ変換していく動きもあり、近年では各企業でさまざまな種類の人事評価制度が導入されている。上半期の人事評価が行われる今の時期、社会人は会社からの評価に対してどのような意識を持つのだろうか。

はじめにライボが「人事評価制度の有無」を尋ねると、「ある」が8割超、「ない」が2割未満だったという。

そこで、評価制度があるとの回答者に「どのような評価方法で評価されているか」を尋ねると、「MBO(目標管理制度)」が36%で最も多かった。以下、「コンピテンシー評価」が23%、「ミッショングレード制度(役割等級制度)」が21.2%、「360度評価(多面評価)」が15.4%と続いた。
人事評価に「不満あり」が7割超、“成果と報酬の不均衡”で賃金上がらず。モチベーション低下や転職につながる理由とは

会社からの評価に「とても不満を感じている」人が2割を超える

次に同社は、「会社からの評価に不満を感じたことはあるか」を尋ねた。すると、「とても感じている」(23.2%)、「やや感じている」(23.4%)、「どちらかといえば感じている」(28.6%)の合計は75.2%と、7割以上が不満を感じていることがわかった。

また、評価制度別に同合計(「不満を感じている」の計)を集計したところ、「360度評価」が77%と最も多かった。以下は、「MBO」が76%、「ミッショングレード制度」が75.5%、「コンピテンシー評価」が74.7%と続いた。

あわせて、評価に関する意見を自由回答で求めると、「上司が退勤するまでは退勤できないので、業務が終わっても20分くらい様子を見てしまう」や「オフィスで残業していると仕事を頑張っている雰囲気が出せる」、「出社はよいが準備で時間を取られ、プライベートの時間が減ってしまった」など、評価制度や上司からの評価に対する不満の声が聞かれたという。
人事評価に「不満あり」が7割超、“成果と報酬の不均衡”で賃金上がらず。モチベーション低下や転職につながる理由とは

評価によってモチベーションの低下経験がある人は8割に迫る

続いて同社は、全体に対し「評価によりモチベーションが下がった経験はあるか」を尋ねた。その結果、「とてもある」(28.5%)、「ある」(27.3%)、「どちらかといえばある」(22.9%)の合計は78.7%と、8割に迫った。

また、モチベーションが下がった経験があるとした回答者にその理由を尋ねると、最多となったのは「成果と報酬が見合っていなかったから」(51.3%)だった。以下、「評価の基準が不透明だったから」(45.6%)、「上司が自分をちゃんと見てくれていないと思ったから」(38.5%)となった。
人事評価に「不満あり」が7割超、“成果と報酬の不均衡”で賃金上がらず。モチベーション低下や転職につながる理由とは

7割以上が評価によって転職を考えた経験あり。うち実際に転職したのは約半数に

次に同社は、「評価によって転職を考えた経験があるか」を尋ねた。すると、「とてもある」(24.8%)、「ある」(23.9%)、「どちらかといえばある」(23.1%)の合計は71.8%と、7割を超えた。

さらに、転職を考えた経験があるとした回答者に、「実際に転職をしたか」を尋ねたところ、「転職した」は48.9%と半数に迫った。また、「転職を検討している」は19.5%と、2割程度が転職意向を持っていることも明らかとなった。
人事評価に「不満あり」が7割超、“成果と報酬の不均衡”で賃金上がらず。モチベーション低下や転職につながる理由とは

6割超が会社の評価に期待。「年収アップ」、「キャリアアップ」を望む声が多数

続いて同社は、「今後の会社の評価に期待するか」を尋ねた。その結果、「とても期待している」(9.2%)、「期待している」(18.6%)、「どちらかといえば期待している」(33.6%)の合計は61.4%と、今後の評価に期待を示す人は6割におよぶことがわかった。

あわせて、「どのような評価を期待するか」を尋ねたところ、「年収が上がること」が71.6%で最も多かった。以下、「キャリアアップにつながること」が32.1%、「承認欲求が満たされること」が27.3%と続いた。
人事評価に「不満あり」が7割超、“成果と報酬の不均衡”で賃金上がらず。モチベーション低下や転職につながる理由とは

6割が将来のキャリアを見据え「準備をしている」と回答

最後に同社は、「自身の将来のキャリアのための準備をしているか」を尋ねた。すると、「とても準備している」(19.1%)、「準備している」(15.6%)、「どちらかといえば準備している」(25.7%)の合計は60.4%と、準備をしている人は6割となった。

「具体的な準備の内容」を尋ねたところ、「専門分野での実績を作る」(45.9%)が最も多かった。以下、「専門分野と関連する資格を取る」(37.6%)、「専門分野の本を読む」(36.5%)と続き、専門分野について準備を進める人が多いことがわかった。
人事評価に「不満あり」が7割超、“成果と報酬の不均衡”で賃金上がらず。モチベーション低下や転職につながる理由とは
本調査結果から、会社への評価に不満を抱く人は7割を超え、評価によるモチベーションの低下や転職への具体的なアクションにつながったとする人も多数いることがわかった。一方で、評価において、年収アップやキャリアアップを期待する人が多いことも明らかとなった。評価への不満が退職を考えるきっかけの一つになることから、企業では時代や個人に合わせた透明性のある評価ができるよう、基準をアップデートしていく必要があるといえるだろう。