株式会社パフは、学生の学ぶ意欲の向上と、企業の新卒採用やインターンシップ採用における履修履歴活用サポートを目的とした「履修履歴活用コンソーシアム」を2017年7月1日に発足した。

このコンソーシアムの目玉は、就職活動中の学生から大学で履修した科目に関する情報を集め、それをデータベースにして「見える化」し、そのデータベースを新卒採用に取り組む企業に提供して企業から学生に対してオファーメールを送信できるサービスを構築することだ。このサービスは、2018年4月1日より開始される予定だという。
「学ぶ」と「働く」を結ぶ履修履歴オファーサービス ―― 「学業阻害」への解決策となるか

「学び」と「働く」をつなぐサービスを実現

これまで、企業が新卒の学生を採用選考する際には、どちらかというと大学で学んだことよりも取り組んだ課外活動の内容が重視されることが一般的だった。学生の学力については、SPIと呼ばれる基礎能力検査のための筆記試験をもとに計ることが通例となっている。そのため、就職活動を行う学生は、普段の学校の授業のほかにSPIの勉強もしなくてはならない。それに伴う学生の負担感は決して少ないものではないだろう。

しかし、本サービスによって、学生の履修履歴を活用することができれば、学生は課外活動の側面だけではなく、本来力を入れるべきであるはずの学業の側面からも企業にアピールすることが可能になる。

「学業阻害」が問題視されてきた

会社説明会や面接は平日の日中に開かれることが多いため、就職活動をする学生は、そのために大学の授業を休んで説明会や面接に行くこともある。そうなると、授業のキャッチアップが遅れ、必要な単位を取りこぼすことにもなりかねない。最悪の場合、就職先が決まったのに必要な単位が揃わず、留年せざるを得なくなる事態になることも考えられるだろう。

また、エントリーシートや履歴書の作成、企業・業界研究や面接の準備といったことにも時間をとられ、学業に費やせる時間はますます少なくなる。就職活動が長期化すれば、それだけ学業にも影響が出てくる可能性も考えられ、就職活動による「学業阻害」はこれまでも長年問題視されてきた。

学んだことが仕事に生かせるチャンスが増える?

そこで、「学業阻害」の解決策として期待されるのが、この「学ぶ」と「働く」を結び付けるサービスだ。

一般的に、研究職などでない限り、大学で学んだ知識をそのまま就職先で活かすことは難しい。しかし、この履修履歴と企業のマッチングサービスを利用すれば、大学で学んだことがそのまま活かせる仕事に就ける可能性が高くなると予想される。企業は履修履歴を見てオファーを送るため、企業の求める知識と学生の持つ知識とのミスマッチも減らせるだろう。

自分が学んできたことが社会に出てからも仕事に活かせるのであれば、学業にも張り合いが出て、学業により真剣に取り組む学生も今まで以上に増えることが予想される。

大学のレベルや履修科目によってはオファーに偏りが出る可能性も

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